セッション情報 パネルディスカッション21(消化器外科学会・消化器病学会合同)

局所進行膵癌に対する治療戦略

タイトル 消PD21-11:

局所進行膵癌における胆管・十二指腸狭窄に対するダブル・メタリックステントの治療成績

演者 新後閑 弘章(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科)
共同演者 前谷 容(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科), 大牟田 繁文(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科)
抄録 【背景】局所進行膵癌は十二指腸狭窄を併発することも少なくない。近年十二指腸ステントを留置することで早期の経口摂取及び退院が可能となっている。十二指腸狭窄に加え胆管狭窄をきたすこともしばしばあり胆管・十二指腸ダブル・メタリックステンティングを施行することも多くなっている。しかしステントトラブルなどの偶発症が発生することもまれではない。【目的】局所進行膵癌における胆管・十二指腸狭窄に対するダブル・メタリックステントの治療成績を明らかにする。【対象と方法】1993年2月から2011年11月までの局所進行膵癌における胆管・十二指腸狭窄に対するダブル・メタリックステント留置例40例をRetrospectiveに検討し、狭窄発生時期と狭窄部位により分類し治療成績を検討する。【結果】ダブル・メタリックステンティングを同時に行った症例は11例(同時群)、別の日に行った症例は29例であった。胆管ステント先行留置が28例(胆管先行群)、十二指腸ステント先行留置が1例であった。同時群は4例が十二指腸狭窄部が乳頭より口側、4例が乳頭部周囲の狭窄、3例が乳頭より肛門側であった。4例でPTBDルートからの胆管ステントを行った。偶発症は十二指腸穿孔を1例認めた。胆管先行群は7例が十二指腸狭窄部が乳頭より口側、18例が乳頭部周囲の狭窄、3例が乳頭より肛門側であった。6例でPTBDルートからの胆管ステントを行った。偶発症は十二指腸穿孔が1例、胆管ステント閉塞が2例、出血が2例、十二指腸ステント逸脱が2例、閉塞が3例に認めた。十二指腸ステント先行留置例はPTBDからの留置であり偶発症はなかった。【考察】PTBDでの胆管ステントを留置に有意差はなかった。また有意差はないものの同時群で偶発症が少ない傾向にあった。局所進行膵癌におけるダブル・メタリックステンティングは狭窄の部位や時期で留置形態が異なるため、その特徴を理解することが治療戦略の上で重要である。
索引用語 膵癌, メタリックステント