セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P419 遠隔転移巣から出血を生じ血管塞栓術が有効であった肝細胞癌の2例 |
演者 | 田上大祐(東芝病院消化器内科) |
共同演者 | 新井雅裕(東芝病院消化器内科), 日高康博(東芝病院消化器内科), 中尾國明(東芝病院消化器内科), 三輪純(東芝病院消化器内科), 松原康朗(東芝病院消化器内科), 冨田高重(東芝病院消化器内科), 田代淳(東芝病院消化器内科), 太田裕彦(東芝病院消化器内科) |
抄録 | 肝細胞癌は血流豊富な腫瘍でありその破裂から腹腔内出血を生じ得るが遠隔転移巣からの出血は稀である我々は転移巣から出血を生じ動脈塞栓術(TAE)にて有効に止血し得た肝細胞癌2例を経験したので報告する.【症例1169歳男性.HCVによる慢性肝炎.2004年11月肝S8に最大21mm3ヶの肝細胞癌が認められTAE及びRFAを施行.2006年初回再発が出現し以後治療を繰り返している2006年10月左上腕骨に転移によると思われる病的骨折が生じ髄内釘固定施行その後同部位に総量39Gyの放射線照射を施行したが病変は増大を続けた.2007年5月左上腕皮膚に生じた痩孔から持続的な出血が出現.止血剤充填圧迫止血など行うも無効であり血管造影を施行.左腋窩動脈造影にて多発する腫瘍濃染を認め上腕回旋動脈を主体にTAEを施行.出血は停止した.【症例2】58歳男性.且CVによる肝硬変.2003年2月S4/8に径5cm単発の肝細胞癌が認められ肝中央2区域切除術を施行.切除標本の病理診断は低分化肝細胞癌であった2004年12月多発再発が認められ以後TAE及びCDDP動注を繰り返し施行2006年3月には両肢に多発転移巣が認められている.2007年4月起床時脱力感を自覚し起立不能となり緊急入院.右胸水の貯留があり試験穿刺では血性胸水(Hb 61mg/dl)であったことから肺転移の破裂を疑った.保存的治療にて胸水の増加や貧血の進行は認めなかったが第4病日に再出血と思われる症状を呈したため血管造影を施行.下横隔動脈造影にて胸部に明瞭な腫瘍濃染を認めTAEを施行.以後、再出血は認めていない【考察】近年肝細胞癌の治療成績は向上しており今後t転移巣による症状の出現頻度上昇が予想される転移巣も本症例のごとく出血を生じることがあり制御不能であれば致死的になりうるTAEは転移巣からの出血に対しても有用であり同様の症例では積極的に行うべき治療と考えられた. |
索引用語 |