セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P420 血友病Aインヒビターに生じたHCV陽性肝細胞癌に対してTACEを施行しえた1例

演者 釜本寛之(国際医療福祉大学三田病院消化器センター)
共同演者 市村茂輝(東京医科大学消化器内科), 村島英学(東京医科大学消化器内科), 工藤幸正(国際医療福祉大学三田病院消化器センター), 平良淳一(東京医科大学消化器内科), 目時亮(東京医科大学消化器内科), 杉本勝俊(東京医科大学消化器内科), 古市好宏(東京医科大学消化器内科), 柳沢京介(東京医科大学消化器内科), 清水雅文(東京医科大学消化器内科), 山田昌彦(東京医科大学消化器内科), 今井康晴(東京医科大学消化器内科), 中村郁夫(東京医科大学消化器内科), 大滝学(東京医科大学臨床検査医学科), 天野景裕(東京医科大学臨床検査医学科), 福武勝幸(東京医科大学臨床検査医学科), 堀部俊哉(国際医療福祉大学三田病院消化器センター), 森安史典(東京医科大学消化器内科)
抄録 【背景】血友病患者では補充した凝固因子に対する抗体を生じ補充療法で止血能が期待できないインヒビターが存在する今回血友病インヒビターに生じた且CV陽性肝細胞癌に対してTACEによる治療を試みたのでその経験を報告する.【症例]55才男性.昭和59年より血友病Aの診断にてt当院臨床検査医学科にて加療されていた.平成10年8月には抜歯後の血腫により気道閉塞をきたし、一時的に心肺停止となったが気管切開を含めた蘇生術により重大な後遺症を伴わず社会復帰しているiC型肝炎に対しては平成14年にIFN導入されたが脱落し結果NRであった.平成16年7月に腹部超音波検査上肝S8に30mm大の低エコー性腫瘤を認めたが肝Dynamic MRIでは乏血性で典型的肝細胞癌の所見を認めなかった.平成18年7月のMRI上肝S7に濃染像を認め治療目的に入院した.トラネキサム酸第7因子製剤投与により止血管理し4Frシースを大腿動脈に前壁穿刺法にて挿入し通常通りに一期的にCTAP/CTHAとTACEを施行した.術後出血を含め重大な合併症は生じず退院した.平成19年1月のCTにて再び腫瘍濃染像を呈する結節が出現し2月27日にCTAP/CTHA+TACEを施行した止血管理治療手技共に前回と同様に行い重大な合併症を伴わず退院している.【考察1血友病Aインヒビターは止血のコントロールが難しい疾患であるが第7因子製剤の投与下に血管造影検査TACEを重大な合併症を伴わず施行できたこのことは今後散発的ではあるが発症が予想されるHCV陽性血友病インヒビターの肝癌治療において従来適応外と判断されていた症例においても今後治療対象になりうる可能性を示す貴重な症例と思われ報告した.
索引用語