セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P421 TACE肺部分切除のみで12年間生存中の多発肺転移を伴う肝細胞癌の1例

演者 宮島真治(天理よろづ相談所病院消化器内科)
共同演者 中村武史(天理よろづ相談所病院消化器内科), 山賀雄一(天理よろづ相談所病院消化器内科), 松村佳代子(天理よろづ相談所病院消化器内科), 田北雅弘(天理よろづ相談所病院消化器内科), 岩本諭(天理よろづ相談所病院消化器内科), 木田肇(天理よろづ相談所病院消化器内科), 岡野明浩(天理よろづ相談所病院消化器内科), 大花正也(天理よろづ相談所病院消化器内科), 沖永聡(天理よろづ相談所病院消化器内科), 久須美房子(天理よろづ相談所病院消化器内科), 高鍬博(天理よろづ相談所病院消化器内科)
抄録 【症例】54歳男性既往歴に痔核胃潰瘍あり25歳時B型肝炎を指摘されるも放置.44歳時(1995年)交通事故で受診の際目腫瘍を指摘.PSOChild-Pugh5点AFP98704ng/mlと著明高値CTA/CTAPにて右葉に7cm大のhypervascular tumorあり肝細胞癌と診断した.また胸部XPCTにて露営に多発する2cm以下の肺腫瘤を認め肝細胞癌の肺転移が疑われた.本人t家人と相談の霞まずTACE治療を試みることとし1995年12月右肝動脈よりアドリアマイシン(ADM)を用いてTACE施行.1996年3月AFP28802ng/mlと低下CTでは肝原発巣に一部リピオドールのwashoutを認め右肝動脈より2回目のTACE施行多発肺腫瘤は増大傾向を認めなかった.1997年6月AFP12.9ng/mlと低下胸部CTでは右肺上葉に4mm大結節残存他病変は指摘困難となった以後1999年7月まで計6回ADMを用いてTACE施行明らかな肝細胞癌再発なく右肺上葉腫蕩の増大も認めず経過.2004年6月肝S8に再発が疑われまた右肺上葉の病変が10mm大に増大AFP376ng/mlと上昇.2004年9月ファルモルビシンを用いてTACE施行.良好なリピオドールの集積を認め以後肝に再発を認めず経過2005年4月右肺上葉の病変が15mm大に増大AFPgL4ng/mlと上昇.肺転移としても単発であること肝に再発を認めないことも考慮し右上葉腫瘍に対し2005年5月肺部分切除術施行特殊染色結果も踏まえ肝細胞癌の肺転移と診断した.2005年10月AFP2.6ng/mlと低下.2007年10月現在原発巣、転移巣とも再発を認めず経過している【考察】肺転移を伴う肝細胞癌は予後不良とされ確立した治療は存在しないが全身化学療法の報告が多い、また肺転移巣に対する手術治療の適応も確立していない本門ではTACE治療と肺転移巣に対する手術治療を施行し原発巣転移巣のコントロールと長期生存を得ている貴重な症例と考えられ文献的考察を踏まえ報告する
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