セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P423 A-Pシャントを伴う肝癌合併肝硬変の1切除例

演者 真々田裕宏(日本医大千葉北総病院外科)
共同演者 吉田寛(日本医科大学外科), 谷合信彦(日本医科大学外科), 坂東功一(日本医科大学外科), 柿沼大輔(日本医科大学外科), 吉岡正人(日本医大千葉北総病院外科), 古川清憲(日本医大千葉北総病院外科), 田中宣威(日本医大千葉北総病院外科), 田尻孝(日本医科大学外科)
抄録 <症例>47歳男性.<主訴>直紙感<現病歴>下痢を主訴に近医受診大腸検査にて異常を認めず腹部超音波上腹水と肝硬変を指摘され当科紹介.既往歴家族歴は特記なし.<主な血液生化学的検査>Plt 7.6万.AST 207ALT 209γ-GTP 189T-Bil 0.6alb 4.0 NH3 58AFP 774L-3分画21%HBsAg(+)HCVAb(一).<腹部超音波検査>初診時には大量腹水を認めた.<上部消化管内視鏡検査>F2RC1の食道静脈瘤を認めたが胃静脈瘤は認めなかった.<腹部CT>肝は肝硬変パターンを呈し門脈が早期相より造影されA-Pシャントが疑われた. S4/8に造影早期相で襖状の造影不良域また遅延相では国状に不均一な造影不良域を認めた.他に脾腫食道胃静脈瘤の存在が指摘された.腹水は利尿剤に反応したのか認めなかった.<腹部血管造影検査>SMA-PVでは門脈左記は描出されず右枝根部にdefectを認めLGVを介し血肝性血流を認めた.肝動脈造影では肝S4中心に左・中肝動脈を栄養血管とする腫瘍濃染を疑う所見を認めたがアンギオCTでは明らかではなかった. S5に約lcmの腫瘍濃染も認めた.また巨大なA-Pシャントを介し肝内門脈が造影された.<経過>食道静脈瘤に対しEVLを施行APシャントに対しては左門脈バルーン閉塞下肝動脈塞栓術を施行した.その後も食道静脈瘤の改善が得られずEVLを繰り返し施行した血管造影にてA-Pシャントの再開通が確認され2回の肝動脈塞栓術(TAE)を行うも消失は認められなかった.肝予備能の改善を得て肝細胞癌の治療も含めて肝紬縞切除術を施行した.術後は静脈瘤も沈静化し2年後の現在生存中である.<結語>A-Pシャントの治療に難渋した肝癌合併肝硬変症例に対し集学的治療にて生命予後の向上を得られた1例を経験した.
索引用語