セッション情報 |
一般演題(ポスター)
|
タイトル |
P424 胃癌手術後の経過観察中に発見された肝嚢胞腺癌の1切除例
|
演者 |
磯野忠大(浜松医科大学外科学第一講座) |
共同演者 |
小林利彦(浜松医科大学外科学第一講座), 和田英俊(浜松医科大学外科学第一講座), 小西由樹子(浜松医科大学外科学第一講座), 宮木祐一郎(浜松医科大学外科学第一講座), 小泉圭(浜松医科大学外科学第一講座) |
抄録 |
【はじめに】肝嚢胞腺癌は比較的まれな疾患である.今回我々は進行胃癌手術後の経過観察中に肝に嚢胞性病変が出現し単純性肝嚢胞や胃癌の肝転移との鑑別を要した1例を経験したので報告する【症例】症例は48歳男性.2001年7月噴門部進行胃癌に対して当科で胃全摘術脾合併切除術D3郭清を施行した.胃癌の病理診断はwell differentiated adenocarcinomaでpT2(mp)N2MOfStageIHAであった.2002年5月の腹部超音波検:査にて肝S7に最大径1.5cmの嚢胞性病変が指摘された.腹部CTも同様の所見であった.その他の検査所見に異常はなく画像的には単純性肝嚢胞と考えられた.しかし胃癌の術前には同部位に嚢胞性病変は存在せず胃癌の肝転移も否定できなかったため3ヶ月後に再検査の方針とした.2002年8月の腹部CT検査では嚢胞性病変は長径3.Ocmと増大傾向を認め腹部超音波検査では内乱に突出する壁在結節様の隆起性成分が認められた.腹部MRI検査ではT1T2強調画像ともに高信号を呈しており嚢胞内容として粘液成分の存在が疑われた.以上の画像所見より肝嚢胞腺腫または肝嚢胞腺癌を疑い2002年10月に手術(肝部分切除)が施行された.肉眼的には大きさ約4×3cmの官房性嚢胞として存在し嚢胞と肝内胆管には明らかな交通は認められなかった組織学的に内面面は偽重層~単層状の異型上皮で裏打ちされ嚢胞内顧には微小乳頭状変化が一部認められたまた嚢胞壁は薄い繊維性結合織で形成され周囲の肝実質への腫瘍浸潤は認められなかった.なお嚢胞内溶液は約10ml存在し黒褐色血性で細胞診はclassV(腺癌)であった.現在手術後5年目経過したが肝嚢胞腺癌の再発はない.【結語】胃癌手術後の定期的経過観察の実施により比較的早期に発見・切除しえたと思われる肝嚢胞腺癌の1例を報告した. |
索引用語 |
|