セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P426 診断治療に難渋した肝類上皮性血管内皮腫の一例

演者 小林功治(昭和大学横浜市北部病院内科)
共同演者 三代川章雄(昭和大学横浜市北部病院内科), 嶋田顕(昭和大学横浜市北部病院内科), 大野恭史(昭和大学横浜市北部病院内科), 伊東友弘(昭和大学横浜市北部病院内科), 宮下耕一郎(昭和大学横浜市北部病院内科), 滝西安隆(昭和大学横浜市北部病院内科), 坂下暁子(昭和大学横浜市北部病院内科), 田口進(昭和大学横浜市北部病院内科)
抄録 (症例)42歳女性(現病歴)2006年12月感冒にて当院外来受診下痢認めたため腹部超音波施行したところ肝臓に多発腫瘤認めた.各種精査感染症(細菌真菌寄生虫結核)の除外腫瘍生検各種細胞診を行った.原因は同定できず緩徐ではあるが状態は悪化していった.4月になり血性腹水が出現し細胞診を行うも原因は不明.腹水抗癌剤感受性試験(CD-DST法)では異常細胞が認められ抗癌剤の感受性を示した.腹水コントロール不良の為週に2回のペースで約5L/回の腹水排液を行い症状緩和に努めたが低アルブミンを誘発し肝腎機能低下をまねき全身状態の悪化を招いている状態となった.他施設高次機能病院数箇所受診するも原因判明には至らず.6月上旬酒類上皮性血管内皮腫の可能性を指摘され当院での病理サンプルを免疫染色し血管内皮マーカーのCD3134陽性で類上皮細胞が認められたため油類上皮性血管内皮腫との診断に至った.統一された治療法は確立されておらずt腹水抗癌剤感受性試験の結果より腹腔内MMC投与(MMC6mg毎週投与)を5回投与その後パクリタキセル80mgの分割投与を行ったMMC投与により腹水は血性から黄色へと変化し増加する量も減ったが全身状態を改善することはできず肝不全多臓器不全を来たし2007年9月16日死亡に至った.(考察)肝類上皮性血管内皮腫は日本での報告は珍しく治療法は確立しておらず予後不良の疾患である.今回我々は腹水抗癌剤感受性試験にてMMCとパクリタキセルの効果が良好であるとの結果を得たので倫理委員会を通して治療を行った.著明な効果を得ることはできなかったが珍しい疾患を経験したので文献的考察を含め報告をする.
索引用語