セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P434 7年の経過をみたEosinophilic sclerosing cholangitisの1例

演者 澤田晴生(近森病院消化器内科)
共同演者 岡田光生(近森病院消化器内科), 三木俊史(近森病院消化器内科), 北岡真由子(近森病院消化器内科), 佐土文子(近森病院消化器内科), 長谷川俊之(近森病院消化器内科), 明坂和幸(近森病院消化器内科), 青野礼(近森病院消化器内科), 栄枝弘司(近森病院消化器内科), 円山英昭(近森病院病理)
抄録 【症例】32歳女性【主訴】腹痛下痢【既往歴15歳紫斑病【現病歴】平成元年(19歳)頃より2~3ヶ月ごとに腹痛と全身に紅色皮疹(ときおり下痢も伴う)が出現していた、平成13年5月19日発熱腹痛出現し近医受診肝胆道系酵素上昇を認め入院腹部CTMRCPにて肝内胆管の狭窄と部分的拡張があるも結石は認めず抗生剤にて症状は軽減した.著明な好酸球増多もあり血液内科の骨髄検査にてHypereosinophilic syndrome(HES)と診断されたが現時点では経過観察でよいとされ退院.同年7月18日より腹痛下痢が出現し当科紹介入院となる、【臨床経過】著明な好酸球増多と肝胆道系酵素上昇(WBC 15500pleosino 75%CRP1.2mg/dlGOT 2gglU/L GPT MOIU/1ALP 21051U/1y-GTP3211U/1T-BIL I.Omg/dl)あり. ERCPにて肝内胆管の狭窄・拡張が多発し一部憩室様変化もありsclerosing cholangitis像であった.肝生検では胆管周囲の線維化や胆管破壊像は認めず大腸内視鏡では大腸粘膜は浮腫状で同訓散在し血管透見像はほとんど認めず.生検では粘膜固有層は出血のほか好酸球好中球など高度の炎症細胞浸潤を認めた.画像と病理所見からHESに関連したeosinophiHc sclerosing ch(》langitisおよびenterocolitisと診断. UDCA開始しPSL30mg/日も併用したところ腹痛下痢は消失し好酸球および肝機能は正常化しPSLを漸減5mガ日にて肝機能正常持続し経過中にPSL中止を試みたが好酸球増加するため2.5mg/日継続し無症状で経過している【結語】HESに関連したEosinophilic cholangitisは極めて稀な疾患で胆管造影ではPrimary sclerosing cholangitisと同様の胆管所見を呈するがsteroidとUDCAの有効例が多いとされている本症例も7年の経過をみているが治療開始後肝胆道系酵素は正常持続し胆管病変の悪化も認められない本症例の経過について文献的考察を加え報告する.
索引用語