セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P435 限局性肝転移および肝直接浸潤の2通りの肝への進展様式が確認できた胆嚢癌の1例

演者 仲程純(浜松労災病院消化器科)
共同演者 菊山正隆(浜松労災病院消化器科), 笹田雄三(浜松労災病院消化器科), 松橋亨(浜松労災病院消化器科), 大田悠司(浜松労災病院消化器科)
抄録 【はじめに】胆嚢癌の進展様式にはリンパ行性血行性直接浸潤腹膜播種が想定されている.本症例は肝への直接浸潤と胆嚢床への限局肝転移の2通りの肝への進展様式を病理組織学的に確認した.【症例】66歳・男性.上腹部痛を主訴に入院入院時に血液検査で炎症反応の上昇腹部超音波検査で胆嚢壁のsoneIucentlayerを伴うびまん性の肥厚所見を認め胆嚢炎と診断.さらに胆嚢底部に限局して壁構造の消失を伴う奨頭側不整で高度な胆嚢壁の結節状の肥厚を認めた肝との境界はやや不明瞭であった.進行胆嚢癌を疑った同病変は造影CTで造影効果を認めたEUSで胆嚢頚部にリンパ節腫大を認めた.以上いずれにおいても胆嚢床には病変を認めなかった.ERCPでは膵胆管合流異常はなく胆嚢管は途絶していた.血管造影では胆嚢動脈のencasementを認め造影後期相でのstainingを伴った.同時に行ったHA-CTでは胆嚢床に広範囲に早期より造影される領域を認め同部はAP-CTでは低吸収域として描出された.胆嚢静脈還流と胆嚢床への浸潤・転移との鑑別はこの時点ではできなかった.以上よりS2HinflNIBinrOHO Stage皿と診断し外科治療を行った.術中所見で胆嚢底部への大網の癒着と右肝動脈への浸潤の疑いを認め大網の一部を含め拡大肝右葉切除術が行われた.病理組織学的には肝への直接浸潤(Hinf2>を伴う中分化型腺癌であった.さらに胆嚢床に限局しグリソン鞘門脈を中心とし小結節を形成する複数の肝転移を認めた.胆嚢頚部リンパ節への転移も認められた.最終診断はAdenocarcinoma of gallbladder ; Gthnodular invasivetub2sipHinzaapH1(S4)pBinfOpVOpAOpNl(12b);pT4pNlpHl;Stage IVb【考察】胆嚢癌の進展様式にはリンパ行性血行性直接浸潤腹膜播種が想定されている本症例は肝への直接浸潤と胆嚢床への限局肝転移の2通りの肝への進展様式を病理組織学的に確認した.術前の画像では限局性肝転移の診断はできなかった
索引用語