セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P439 急性腹症の手術適応における血清乳酸値の意義 |
演者 | 明田寛史(大阪厚生年金病院内科) |
共同演者 | 貫野知代(大阪厚生年金病院内科), 松浦民子(大阪厚生年金病院内科), 森口彩(大阪厚生年金病院内科), 池澤賢治(大阪厚生年金病院内科), 小野亜紀子(大阪厚生年金病院内科), 千葉三保(大阪厚生年金病院内科), 赤坂智史(大阪厚生年金病院内科), 水野龍義(大阪厚生年金病院内科), 前田晃作(大阪厚生年金病院内科), 内藤雅文(大阪厚生年金病院内科), 道田知樹(大阪厚生年金病院内科), 片山和弘(大阪厚生年金病院内科), 弓場健義(大阪厚生年金病院外科), 山崎芳郎(大阪厚生年金病院外科) |
抄録 | 【目的】急性腹症では保存的治療か緊急の外科的アプローチか判断に迷う症例が経験される。特に腸管の循環障害を起こしている症例は緊急手術の適応となるため理学的所見や代謝性アシドーシスの有無が参考にされるが臨床的に十分とは言えない.そこで今回我々は組織循環障害のマーカーである血中乳酸値が手術適応の指標となりうるかを検討したので報告する.【方法】対象は平成14年9月より平成19年10月までに急性腹症にて当院受診し画像診断等にて消化管穿孔や虫垂炎胆嚢炎などを除外し経時的に血中乳酸値を測定した30例とした.臨床症状や血液検査などより緊急手術を行った15例(いずれも組織壊死が見られた)と手術せずに死亡した2例を加えた17例をA群保存的治療にて軽快した13例をB群とし血液検査・血液ガス・乳酸値を比較検討した【結果】A群:B群では年齢74±10:61±22性別(男/女)9/8:5/8初診時の白血球(/mm3)10458±4479=9484±4886CRP(mg/dD 5.3±9.8:31±6.5CK(IU/1)517±1582:261±590LDH(IU/1)318±200:246±102pH 7.41±0.06:7.43±0.05HCO3(meq/l)20.9±4.9:23.8±4.0BE(mmol/l)-2.9±5.4:-0.05±4.1は有意差を認めなかったが乳酸値33.4±28.6:15.6±135(p=0.012)は有意差を認めた輸液での乳酸値の上昇はtA群で80%(12/15)B群では25%(2/8)であり(p=0.02)輸液後の乳酸値も47.7±31.3:11.3±5.6(p=0.0003)と有意差を認めBEなどより有用であった.【結論】急性腹症では初期の血清乳酸値は外科的治療の必要性を判断する極めて有用な指標である.さらに輸液で脱水補正後も乳酸値が上昇または高値を持続する場合は腸管の循環障害を起こしている可能性が高く緊急手術の必要性を示している. |
索引用語 |