セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
---|---|
タイトル | P444 尿膜管癌により発症した腹膜偽粘液腫の1例 |
演者 | 柏木伸一郎(馬場記念病院外科・消化器科) |
共同演者 | 寺岡均(馬場記念病院外科・消化器科), 大平豪(馬場記念病院外科・消化器科), 玉森豊(馬場記念病院外科・消化器科), 堀田潔(馬場記念病院外科・消化器科), 中谷雅美(馬場記念病院外科・消化器科), 河内屋友宏(馬場記念病院外科・消化器科), 原順一(馬場記念病院外科・消化器科), 新田敦範(馬場記念病院外科・消化器科) |
抄録 | 腹膜偽粘液腫は粘液産生細胞が腹膜に播種して腹腔内に多量のゼラチン様物質が貯留する稀な疾患である.今回我々は尿膜管癌により発症した腹膜偽粘液腫の1例を経験した.症例は70歳男性.主訴は腹部膨満感.平成19年4月頃より腹部膨満感を自覚した.近医受診し腹腔内に多量の腹水を認めたため精査・加療目的で当科紹介となった.腹部CT検査では腹腔内に多量の腹水をみとめまた膀胱頂部より膀にいたる巨大な嚢胞状腫瘤が存在した.腹水穿刺にて黄緑色のゼラチン様物質が採取されたため腹膜偽粘液腫と診断同年7月11日手術施行した.術中所見として腹腔内には多量のゼラチン様物質が貯留しその重量は6100gに達した.膀胱頂部には径3cm大の腫瘤が存在しそれに連続する様に謄部左側にかけて嚢胞状の腫瘤が存在した.嚢胞の一部は亭々し腹腔内との交通を認めた.その他虫垂含め明らかな異常は認めなかった.以上より尿膜管原発の腹膜偽粘液腫と診断し原発巣の完全切除を行ないさらに腹腔内を42℃に加温した5%ブドウ糖液で洗浄CDDP80mgを腹腔内散布した.病理組織診断の結果は高分化腺癌であり尿膜管癌により発症した腹膜偽粘液腫と診断した.術後は特に合併症もなく術病日16日で退院となり現在外来にてUFT-E内服投与中であるが再発の徴候は認めていない.腹膜偽粘液腫は原発巣が明らかなものの多くは虫垂および卵巣であり尿膜管由来のものは稀である.特に初診時より腹腔内に多量の粘液貯留が認められた尿膜管原発腹膜偽粘液腫の報告は本症例を含め3例しかなく極めて稀であると考えられたので若干の文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 |