セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P446 自覚症状の緩和に化学療法が有効であった悪性腹膜中皮腫の1例

演者 仲本学(琉球大学光学医療診療部)
共同演者 小橋川ちはる(琉球大学第一内科), 平田哲生(琉球大学第一内科), 金城渚(琉球大学光学医療診療部), 外間昭(琉球大学第一内科), 金城福則(琉球大学光学医療診療部), 藤田次郎(琉球大学第一内科)
抄録 悪性腹膜中皮腫は腹膜より発生する比較的稀な疾患であり診断治療に難渋し予後不良である.今回我々は腹水貯留に伴う腹部膨満感といった自覚症状の緩和効果として化学療法が有効であった1例を経験したので報告する.症例は52歳女性.15歳時より4年間鉄鋼及び紡績関係事務職の職歴があるも石綿の暴露は不明.2005年9月より腹部膨満感が出現し近医受診多量腹水を指摘されるも確定診断に至らず当科紹介受診.腹部CTでは多量腹水に加え腸管と腹壁の間に不均一に肥厚した大網を認めFDG-PETにて同部位にFDG集積を認めた.腹水ビアルロン酸は11900ng/m[腹水細胞診にて腹膜中皮腫が疑われた為確定診断目的に同年12月腹腔鏡下腹膜生検を施行.小結節が高倉腹膜民心腹膜大網にびまん性に認められ生検結果より上皮型びまん性悪性腹膜中皮腫と診断2006年1月よりGEM 800mg/body(Day1815)+CDDP 80mg/body(Day1)静脈内投与による化学療法を開始し明らかな腹水減少は認められなかったが腹部膨満感は改善し計8クール施行9月から再度腹水増加による腹部膨満感が出現「し腹水穿刺排液が必要となってきたため10月からPTX 100mg/body(Day1815)+CBDCA 400mg/body(Dayl)静脈内投与に変更.明らかな腹水減少は認められなかったが腹部膨満感は改善し計10クール施行しかし2007年7月から再度腹水増加傾向および頻回に腹水穿刺排液が必要となりまたCTにて腹膜のびまん性肥厚所見の増悪に加え右胸水胸膜結節心臓周囲脂肪織内結節所見も出現してきた為9月からはCPT-1170mg/body(Dayl15)+CDDP 35mg/body(Dayl15)静脈内投与に変更した現在腹部膨満感は改善傾向にあり2クール治療継続中である.本症例は3レジメで約2年間化学療法継続中であり経過中に腹水の消失は認められないものの腹水穿刺排液の頻度が減少でき腹部膨満感といった自覚症状の緩和効果に対し化学療法が有効であった.
索引用語