セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P447 皮様嚢胞を合併した後腹膜原発神経節芽細胞腫の1例 |
演者 | 早馬聡(釧路赤十字病院外科) |
共同演者 | 近江亮(釧路赤十字病院外科), 室田千晶(釧路赤十字病院外科), 斉藤博紀(釧路赤十字病院外科), 山吹匠(釧路赤十字病院外科), 村上壮一(釧路赤十字病院外科), 猪俣斉(釧路赤十字病院外科), 二瓶和喜(釧路赤十字病院外科), 近藤哲(北海道大学腫瘍外科学) |
抄録 | 症例は55歳の女性.H19年1月頃より全身倦怠感と体重減少が出現した.さらに2月下旬に黄疸を家人に指摘され当院内科を受診し同日入院となった.黄疸は保存的に軽快したが腹部CTにて膵体部に最大径55mmの周辺に石灰化を伴う嚢胞性腫瘍を認めた. ERCPでは腫瘍と主膵管との交通や主膵管の拡張は認められなかった.また全身検索にて他臓器への転移やリンパ節転移は認められなかった.膵体部嚢胞性腫瘍の診断で同年4月27日手術を施行した.腫瘍は左副腎より発育しており膵体部への浸潤が疑われたため術式を膵体尾部切除左副腎切除とした.腫瘍は肉眼的に内部に泥状物を充満した冠註性嚢胞とその上部に接する充実性部分より構成されていた.病理組織学的検索の結果充実部分は神経節芽細胞腫であり隣接する嚢胞は皮様嚢胞と診断された.神経芽細胞は中間的な分化度を示し細胞異型や核分裂像などを認めないことから悪性性格は無いと考えられた.また膵臓副腎とは連続性を認めず後腹膜原発と考えられた.神経節芽細胞腫は悪性成分の神経芽細胞腫と良性成分の神経節性神経腫が混在した腫瘍とされるが根治的外科的切除がなされればその予後は比較的良好とされる.本症例のように神経節芽細胞腫が成人に発症した例はきわめて稀でありその画像所見皮様嚢胞と合併した組織像など非常に興味深い1例と考えられたため文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 |