セッション情報 |
一般演題(ポスター)
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タイトル |
P450 偶発症からみた高齢者ESDの有用性-非高齢者群との比較-
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演者 |
酉家章弘(京都府立医科大学大学院消化器内科学) |
共同演者 |
土肥統(京都府立医科大学大学院消化器内科学), 光藤章二(京都府立医科大学大学院消化器内科学) |
抄録 |
【背景】早期胃癌に対するESDの適応拡大は外科的治療困難な高齢者に対して低侵襲治療を可能とする.しかしESDは偶発症のリスクがあり高齢者に対する安全性が問題となる.【目的】高齢者早期胃癌におけるESDの有用性と安全性を明らかにする.【方法】2002年4月から2007年10月までに当院にてESDを施行した早期胃癌149症例160病変のうち偶発症が生じた75歳以上(高齢群)の12症例と75歳未満(非高齢群)の17症例を対象とした患者背景治療時間予後等について比較検討した.【結果】(病変因子)適応:適応拡大:適応外病変の内訳は高齢群2:3:7非高齢群9:3:5で高齢群に適応外病変が多かった.高齢群では腫瘍径が大きく(平均27.lmm:18.5mm)sm癌が多い傾向にあった(背景因子)高齢群の7例(58.3%)に基礎疾患を認め5例(417%)に抗凝固療法がなされており有意差を認めた.(平均治療時間)高齢群268.2=非高齢群248.7分で有意差を認めなかった.(偶発症)穿孔は高齢群の4例非高齢群の10例に生じた.非高齢群の2例を除きクリップにて閉鎖し保存的加療が可能であった.後出血は高齢群の4例非高齢群の6例に生じ高齢群の1例に大量輸血を必要とした.高齢群の2例非高齢群の1例にマロリーワイス症候群をきたし高齢者群の1例に膵炎を認めたがいずれも保存的加療しえた.(臨床経過)術後入院期間(平均12.6日/15.8日)WBC最高値(平均9550/9483/μ1)CRP最高値(平均4.83/2.74mgr’dl)Hb治療前後差(平均一1.88/一2.05)において有意差はなかった.(中期成績)非高齢群の1例に他病死を認めたが原病死はなかった局所再発は非高齢群に1例認め外科切除を行った.【結論】ESDは高齢者に対しても十分な安全性と良好な治療成績が期待できるが基礎疾患や抗凝固療法に留意し偶発症への予防・対処が肝要である. |
索引用語 |
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