セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P456 放射線療法が有効であったH.pylori除菌抵抗性胃MALTomaの一例

演者 鈴木真琴(獨協医科大学消化器内科)
共同演者 中村哲也(獨協医科大学医学情報センター), 菅谷武史(獨協医科大学消化器内科), 富永圭一(獨協医科大学消化器内科), 熊谷今日子(獨協医科大学消化器内科), 内園まり子(獨協医科大学消化器内科), 塩屋知津(獨協医科大学消化器内科), 眞島雄一(獨協医科大学消化器内科), 國吉徹(獨協医科大学消化器内科), 山形道子(獨協医科大学消化器内科), 菅家一成(獨協医科大学消化器内科), 室久俊光(獨協医科大学消化器内科), 増山仁徳(増山胃腸科クリニック), 平石秀幸(獨協医科大学消化器内科)
抄録 【症例】70歳 女性【主訴】特記なし【家族歴】姉:乳癌胃癌 姉1糖尿病 兄:糖尿病【現病歴】平成18年6月6日の検診MDLにて胃体部後壁に粘膜不整を指摘され6月9日近医受診上部消化管内視鏡検査(EGD)にて胃体上部後壁に粘膜不整を認め病理組織診断の結果MALTomaであった.精査加療目的に7月6日当院を紹介されH.pylori陽性であったため除菌療法を開始除菌成功後EGD再検するも内視鏡的・組織学的にMALTomaの遺残を認めH.pylori除菌抵抗性MALTomaと診断全身精査にて臨床病期はStage Iであったため放射線療法目的に平成19年1月11日当科入院となった.【経過1入院後1月15日より3α6Gy×17Frにて治療開始した開始幽すぐにRadia-tion-induced emesisを認めたが内服治療にて改善.2月5日に放射線治療が終了し退院となった.またMALT1(18q21)の転座は認めずAPI2-MALTIキメラ遺伝子は陰性と診断した.3月に行ったEGDにおいて不整粘膜は消失し放射線療法の影響と思われるH2 Stageの小潰瘍を認めたが生検でMALTomaの遺残はなかった.【考察・結論】胃MALTomaの約80%はH.pylori除菌療法のみで治癒する.またAPI2-MALT1キメラ遺伝子を認めない症例には除菌療法が有効であるとの報告がある.本症例はH.pylori除菌抵抗性およびAPI2-MALT1遺伝子陰性のMALTomaに対し放射線療法が効奏した症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語