セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P460 COX-2選択的阻害薬投与後急性発症した出血性胃潰瘍の2例

演者 小野雄司(札幌社会保険総合病院消化器科)
共同演者 高木智史(札幌社会保険総合病院消化器科), 横山朗子(札幌社会保険総合病院消化器科)
抄録 近年消化性潰瘍に対する高リスク患者にはCOX-2選択性NSAIDsの投与が推奨されている.しかし臨床ではCOX-2に選択性の高い薬剤であっても合併症である胃十二指腸潰瘍を経験することがあり非アスピリンNSAIDsによる出血性潰瘍は投与後比較的早期に出現することも報告されているが臨床的背景や特徴は十分に判明していない.今回我々はCOX-2選択性の高いNDSAIDs投与後3日目に大量出血に至った出血性胃潰瘍の2例を経験したので報告する.【症例1】80代女性.朝より大量のタール便を認め当院へ救急搬送された来院時Hb 3.8g/dlと著明な貧血を認め上部消化管内視鏡検査が施行された.その結果胃体部から幽門部に多発する潰瘍を認め出血源は胃体上部小轡の潰瘍であった.迅速ウレアーゼ法血清H. pylori抗体ともに陰性でありこれまで胃潰瘍の既往もなかった.患者はこの3日前より腰痛のため近医よりザルトプロフェンを処方されていた.【症例2】70代男性.吐血・脱力を主訴に救急搬送された.来院時Hb6、4mg/dlと貧血を認め上部消化管内視鏡検査にて胃体下部前壁に露出血管を伴う潰瘍を認め内視鏡的止血術が行われた.血清H.rylori抗体は陽性であった.患者は下肢痛のため4日前よりエトドラクを内服していた.COX-2選択性の高いNSAIDsの内服早期に発症した出血性胃潰瘍の2例を経験した.本邦でもCOX-2選択的阻害薬が保険収載され使用されはじめている消化管障害のリスクが軽減すると報告されているが本例のような超急性期の胃十二指腸潰瘍の発症も含め今後臨床的検討が必要と考えられる
索引用語