セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P466 クローン病に対する術後緩解維持療法としての大建中湯の効果

演者 酒匂美奈子(社会保険中央総合病院内科・IBDセンター)
共同演者 河口貴昭(社会保険中央総合病院内科・IBDセンター), 吉村直樹(社会保険中央総合病院内科・IBDセンター), 高添正和(社会保険中央総合病院内科・IBDセンター), 松本敦夫(社会保険中央総合病院大腸肛門病センター), 金古康(社会保険中央総合病院大腸肛門病センター), 岡田大介(社会保険中央総合病院大腸肛門病センター), 小原邦彦(社会保険中央総合病院大腸肛門病センター), 古川聡美(社会保険中央総合病院大腸肛門病センター), 高橋知子(社会保険中央総合病院大腸肛門病センター), 岡本欣也(社会保険中央総合病院大腸肛門病センター), 山名哲郎(社会保険中央総合病院大腸肛門病センター), 佐原力三郎(社会保険中央総合病院大腸肛門病センター)
抄録 [目的]当科において2000年頃よりクローン病の緩解維持療法の一つとして大建重湯を投与していたケースが多くある.大建中部にクローン病に対する術後緩解維持療法としての効果が期待できるかどうかを検討する.[方法]対象は2000年1月より2002年10月までの間に当院大腸肛門病センターにおいて腸管切除術を施行されかつその後の経過が明らかな180例術後緩解維持療法として大建中湯(Zsg~15g)の投与を受けた群(A群)経腸栄養剤(エレンタール⑧240g/日以上)・免疫抑制剤(イムラン⑧25mg~75mg)の投与を受けた群(B群)経腸栄養剤単独群(C群)免疫抑制剤単独群(D群)いずれの投与も行われなかった群(E群)の5群に分類した(5ASA等それ以外の治療内容を問わない).各群について5年以内の再手術率をretrospectiveに調査した.[結果]各群の症例数はA群10例B群10飢C群50例D群17例D群103例であった.5年以内の再手術率は各々0.030.012D11.811.7%であった.また全症例でみると大建中湯投与例は31例で5年以内の再手術例なし大建中湯投与を行っていない149例ではのべ20例で再手術が行われており大建中湯投与群では再手術率が低下する傾向が見られた.[結論]大建中湯には末梢神経のカルシトニン遺伝子関連ペプチドの放出促進CGRP受容体の発生により腸管の血流を増加させる働きがあると考えられている.術後の大建中湯投与により5年以内の再手術率が低下する傾向が見られたことは大建中湯の作用により再燃・再発が抑制されている可能性を示唆するものと考える.
索引用語