セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P476 いわゆるtop down therapyを施行し長期経過観察しているクローン病の3例

演者 新井勝人(昭和大学医学部第二内科)
共同演者 竹内義明(昭和大学医学部第二内科), 井廻道夫(昭和大学医学部第二内科)
抄録 インフリキシマブ(IFX)はクローン病の自然史を変える可能性が考えられておりt早期導入(top down therapy)が検討されつつある.われわれはtop down therapyを3例施行し長期経過観察しているので報告する症例128歳女性.腹痛発熱を数年来繰り返してのち2005年3月に小腸大腸型のクローン病と診断された.中心静脈栄養(IVH)で寛解導入ののち成分栄養療法を施行するも再燃し下部消化管内視鏡検査(CF)では潰瘍の残存を認めた.肩関節痛も出現しステロイドが考慮されたが副作用の懸念により承諾が得られず2006年1月よりIFXを開始した.026週に引き続き維持投与を行い6週後には寛解が得られた.CFでは潰瘍の癩痕化が認められた.なお免疫調節剤は一時併用した.症例232歳女性.2003年に結節性紅斑発熱足関節痛が出現.2004年9月に大腸型クローン病と診断された5-ASA製剤IVHで寛解導入できずステロイドは受容されず免疫調節剤とともに2005年3月より症例1同様にIFXを導入した.6週後には寛解導入となった.CFでは病変部の搬痕化が認められた症例352歳男性.40歳頃から下痢と難治性痔痩を繰り返しており2002年9月に大腸型クローン病と診断された.IVHで寛解導入するも2004年6月に再然.同年12月に他医でsetonを施行しその後IFXが導入された.026週投与で症状は一旦改善するがその後再ma. CFで縦走潰瘍が認められ2005年6月より再度IFXを8週間隔で免疫調節剤とともに開始した.8週目には寛解が得られtCFでは多発癩痕像を認めた.全例がmucosalhealingを伴った寛解維持状態となりQOLの改善も認められた.top downtherapyは有効であるが長期使用による副作用や不生時の対策投与中止のタイミングや適応例の選択が今後の検討課題と思われる.
索引用語