セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P477 外科治療を回避しえた大量出血を反復したクローン病の1例 |
演者 | 山地統(公立昭和病院消化器内科) |
共同演者 | 浦牛原幸治(公立昭和病院消化器内科), 大日向麻衣(公立昭和病院消化器内科), 村川美也子(公立昭和病院消化器内科), 高橋有香(公立昭和病院消化器内科), 小野圭一(公立昭和病院消化器内科), 小島茂(公立昭和病院消化器内科), 武田雄一(公立昭和病院消化器内科), 野内俊彦(公立昭和病院消化器内科), 土居逸平(公立昭和病院放射線科) |
抄録 | 【背景】クローン病の大量出血は比較的稀であるが輸血を要し時に出血を契機として死に至る重篤な合併症の一つである.また~度大量出血を起こした患者は大量出血を繰り返すことが多く過去の報告では多くの症例で外科治療を余儀なくされていた.今風我々は4度大量出血を繰り返しながらもインフリキシマブIVRにより腸管切除を回避し得た症例を経験したので報告する.【症例】16歳男性.下痢を主訴に近医を受診し大腸内視鏡で潰蕩性大腸炎と診断されプレドニゾロン30mgメサラジン2250mgを投与されたが改善を認めず12/20他院に入院した.しかし1日20行の下痢が続き12/28当院に転院となった.大腸内視鏡でS状結腸に打ち抜き潰瘍を認め潰瘍性大腸炎のCMV感染合併を疑いガンシクロビル投与白血球除去療法(LCAP)を施行した後日CMV感染は否定された.内服t LCAPにて改善傾向であったが1/11深夜突然の大量出血を生じショックとなりHb38g/dlとなった.緊急IVRで止血を行ったが数時間後に再度:大量出血.この際の大腸内視鏡でクローン病と診断出血源は回腸と考え2回目のIVRを施行した.この際MAP16単位の輸血を要した.しかし1/183 S目の大量出血が出現.血管造影で出血源を同定できずインフリキシマブを投与した.しかし1/204度目の大量出血を来たし血管造影検査を施行.回盲部より動脈性の出血を認めコイル塞栓で止血を行ったその後はインフリキシマブ2週目6週目の投与を行い大腸粘膜の再生にて潰瘍は覆われ以後出血を認めず退院となった.【結語】クローン病大量出血の報告例の多くは外科治療を要し過去の保存的治療の止血成績は約半数程度と満足できるものではなかったしかしインフリシマブによる再生上皮の形成促進効果潰瘍の閉鎖は投与後速やかに得られ本症例のように内視鏡的止血術やIVRと組み合わせることにより手術回避可能例の増加が期待できる. |
索引用語 |