セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P480 クローン病に合併したC型慢性肝炎に対してぺグインターフェロンリバビリン併用療法を行った1例

演者 川上研(大阪医科大学付属病院第二内科)
共同演者 森田英次郎(大阪医科大学付属病院第二内科), 村野実之(大阪医科大学付属病院第二内科), 井元章(大阪医科大学付属病院第二内科), 岡田俊彦(大阪医科大学付属病院第二内科), 柿本一城(大阪医科大学付属病院第二内科), 能田貞治(大阪医科大学付属病院第二内科), 石田久美(大阪医科大学付属病院第二内科), 倉本貴典(大阪医科大学付属病院第二内科), 阿部洋介(大阪医科大学付属病院第二内科), 井上拓也(大阪医科大学付属病院第二内科), 村野直子(大阪医科大学付属病院第二内科), 年名謙(大阪医科大学付属病院第二内科), 梅垣英次(大阪医科大学付属病院第二内科), 本合泰(大阪医科大学付属病院第二内科), 江頭由太郎(大阪医科大学第一病理学), 樋口和秀(大阪医科大学付属病院第二内科)
抄録 症例は25歳男性.2005年1月に持続する下痢右下腹部痛を主訴に近医を受診した.急性虫垂炎と診断され虫垂切除術が行われたが術後も症状及び炎症反応が持続したため再度開腹手術が行われた.手術所見では終末回腸に周囲と強固に癒着した炎症性腫瘤を認めたため回盲部切除術が施行された.切除標本では終末回腸の腸管膜付着側に縦走潰瘍を認め小腸型クローン病と診断され当科に紹介となった.初診時クローン病に関しては臨床的緩解状態であったが血液検査においてHCV抗体陽性を指摘されジェノタイプは2aで高ウイルス量(HCV-RNA定量11400KIU/ml)であり肝生検では新犬山分類でA1F1であった.クローン病に対しては5-ASA3g/日成分栄養剤1200Kcaレ日の投与により経過観察を行うこととしたが今後C型肝炎の進行またはクローン病の再燃時に使用するステロイド及び免疫調整剤によるC型肝炎の増悪が危惧された.現在クローン病に対するインターフェロン及びリバビリンの影響については確立された報告はないが予後に関してはC型肝炎が大きく関与すると判断し患者家族に十分なimformed・concentを得たうえでペグインターフェロンリバビリン併用療法を24週間行った.治療開始6週後(2006年5月目よりHCVウイルス量は測定感度以下のまま2007年9月現在まで経過しクローン病の再燃も認めていない.クローン病患者に合併したC型慢性肝炎に対してペグインターフェロンリ.バビリン併用療法を行った報告は本邦では非常に稀であり良好な治療成績が得られたので若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語