セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P496 虚血性直腸炎の3例

演者 田中敏宏(大阪市立総合医療センター)
共同演者 小谷晃平(大阪市立総合医療センター), 松井佐織(大阪市立総合医療センター), 會澤信弘(大阪市立総合医療センター), 中井隆志(大阪市立総合医療センター), 佐野弘治(大阪市立総合医療センター), 上田渉(大阪市立総合医療センター), 青木哲哉(大阪市立総合医療センター), 川崎靖子(大阪市立総合医療センター), 木岡清英(大阪市立総合医療センター), 岡博子(大阪市立総合医療センター), 大川清孝(大阪市立総合医療センター)
抄録 【症例1】66歳・女性.5日間の便秘の後排便時冷感・腹痛に伴い血便を認めた為に精査加療目的に入院となる.既往歴に48歳:子宮全摘術52歳:高血圧65歳:胃癌.入院時血液検査にてWBC:10100/mm3CRP:15.8mg/dlと高度の炎症反応を示し下部消化管内視鏡検査にてRs~Rbに広範なうろこ模様・一部に白苔を伴う浅い潰瘍病変を認めた.生検組織にて粘膜上皮の消失・立ち枯れ像・好中球を中心とする炎症細胞浸潤といった虚血性変化を認め虚血性直腸炎と診断した.保存的加療にて血便消失・炎症反応も軽快した.【症例2】85歳・男性.便秘の後血便を来たし当院消化器内科受診となる.既往歴に70歳二高血圧・糖尿病77歳:心筋梗塞80歳:腹部大動脈瘤手術.バイアスピリン内服中であり下部消化管内視鏡施行した.S状結腸上部から軽度の発赤斑を認め直腸を主座とする縦走する広い発赤帯へと連続し肛門直上において白苔を伴っていた.虚血性直腸炎と診断し保存的加療にて軽快した2ヵ月後下部消化管内視鏡検査にて治癒を確認した.【症例3】69歳・男性.透析中の胸痛発作にてCAG施行2枝の高度狭窄にて4枝バイパス目的に入院加療中既往歴に陳旧性心筋梗塞65歳:血液透析導入両下肢閉塞性動脈硬化症.血液透析後に血便を認め緊急内視鏡を施行.S状結腸より歯状線直上まで白苔を伴った縦走する潰瘍を認めた.虚血に陥る要因を多数認め広範囲の縦走潰瘍形成にて虚血性大腸炎・直腸炎と診断した.【結語】直腸は内腸骨動脈及び下腸間膜動脈による2重支配を受け虚血性変化を来たすのは稀とされる.虚血性直腸炎の原因としては腹部の血管手術後経口避妊薬内服後血管奇形糞便に伴う直接圧迫にて起こる粘膜虚血腸管内圧上昇に伴う粘膜虚血などがあげられる.今回の症例では肛門管直上まで病変が認められることが共通していた.原因としては腸管因子を主とするもの血管因子を主とするものがみられた
索引用語