セッション情報 |
一般演題(ポスター)
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タイトル |
P504 成人の大腸Hypoganglionosisの1例
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演者 |
村上右児(福岡大学筑紫病院消化器科) |
共同演者 |
高木靖寛(福岡大学筑紫病院消化器科), 別府孝浩(福岡大学筑紫病院消化器科), 松井敏幸(福岡大学筑紫病院消化器科), 西俣伸亮(福岡大学筑紫病院病理部), 岩下明徳(福岡大学筑紫病院病理部) |
抄録 |
症例は32歳の男性.元来排便は規則的であったがここ1年ほどで便秘傾向が出現した.平成19年1月29日深夜から腹痛腹部膨満感が出現したため当科外来を受診した.腸閉塞と診断され緊急入院した.既往として腹部手術歴はなく腸閉塞の診断で平成17年12月および平成18年2月ごろ他院に2回の入院歴がある.入院時の身体所見として腹部全体に軽度の圧痛を認め採血にて軽度の炎症所見を認めている.腹部レントゲン検査では著明なニボ臥像があり腸閉塞と診断した.入院時のガストログラフィンによる注腸造影では上行結腸から横行結腸が著明に拡張しており下行結腸からS状結腸は相対的に狭小化していた.入院後絶食輸液にて経過観察した.その後食事を再開したところ再度腸閉塞となったため中心静脈栄養に移行した.第27病日に全大腸内視鏡検査を施行したところ下行結腸(脾弩曲部近傍)に管腔の約1/4周を占める潰瘍を認めた.潰瘍底には大小不同の結節が見られたが生検による病理診断は非特異性潰瘍であった.一般細菌および抗酸菌培養は陰性であった.第28知日に施行した注腸造影ではやはり下行結腸からS状結腸にかけて腸管の狭小化が見られていた注腸造影翌日腹部レントゲン検査を施行したところバリウムは殆ど排泄されておらず充満像となっていた.内科的な加療は困難と考え外科的に腸管切除を勧め同意を得た.切除標本は下行結腸から直腸(Rs)まででありt長径51.5cmであった口側は肛門側に比して約2倍程度に拡張していた.非拡張部ではAuerbach神経叢が全体的に萎縮しており細胞数も著明に減少していた.またMeissner神経叢の一部には腫大がみられ胞体はすりガラス状を呈していた.これらの所見から後天的な大腸Hypoganglionosisと診断した.術後は経過良好にて退院した.今回我々は成人の大腸Hypoganglionosisの1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する |
索引用語 |
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