セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P509 B型慢性肝炎核酸アナログ未治療例およびラミブジンからの切り替え例におけるエンテカビルの短期治療成績 |
演者 | 土居忠(王子総合病院消化器科) |
共同演者 | 太田英敏(王子総合病院消化器科), 黄勇澤(王子総合病院消化器科), 奥田敏徳(王子総合病院消化器科), 佐藤康裕(王子総合病院消化器科), 藤見章仁(王子総合病院血液腫瘍科), 蟹沢祐司(王子総合病院血液腫瘍科) |
抄録 | 【目的】B型慢性肝炎に対する核酸アナログ治療はラミブジン(LAM)よりも耐性出現頻度が低いとされるエンテカビル(ETV)の登場によって新たな局面を迎えつつある.そこで今回は核酸アナログ未治療例とLAMからの切り替え例におけるETVの短期治療成績を検討した.【対象と方法】対象は2007年7月までにETV投与を開始した核酸アナuグ未治療例22例とLAM投与期間中Breakthrough hepatitisを認めずLAMからETVへ切り替えた13例の合計35例である.【成績】1)核酸アナログ未治療群;平均年齢は52±2.3歳男女比14:8HBeAg陽性6例陰性16例であったETV投与前のALTは233±80U/L HBV-DNAは6.8±0210gcoples/mlであった.12週目までに22例中14例(64%)でALTが正常化し同じく22例中14例でHBV-DNAも検出感度(2.610gcopies/皿1)以下に低下した.その間のHBV-DNA平均変化量(logcopies/ml)は一3.7±0.3であった.2)切り替え群;平均年齢は54±3歳男女比8:5HBeAg陽性4例陰性9例HBV-DNAは検:出感度以下11例陽性2例であったLAM投与期間は6から63ヶ月中央値33ヶ月でLAM投与期間が3年未満のものが7例3年以上のものが6例であった.13例中9例でYMDD変異を検索したが全例検:出されなかった. ETVへの切り替え前にHBV-DNA陽性であった2例は12週までに検出限界以下に低下し観察期間中央値は8ヶ月と短いが全例でウイルス学的breakthroughは認めていない.【結論】B型慢性肝炎に対するETVの短期治療成績は核酸アナログ未治療例LAMからの切り替え例ともに良好であった.今後長期成績について検討を要するが特にLAM長期投与からの切り替え例については潜在的LAM耐性変異の問題があり慎重な経過観察が必要である. |
索引用語 |