セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P512 B型非代償性肝硬変に対する抗ウイルス療法の検討

演者 内木隆文(岐阜大学消化器病態学)
共同演者 永木正仁(岐阜大学消化器病態学), 高井光司(岐阜大学消化器病態学), 大澤陽介(岐阜大学消化器病態学), 末次淳(岐阜大学消化器病態学), 塚田良彦(岐阜大学消化器病態学), 今井健二(岐阜大学消化器病態学), 白木亮(岐阜大学消化器病態学), 森脇久隆(岐阜大学消化器病態学)
抄録 【はじめに】近年ラミブジンおよびエンテカビルを初めとした核酸アナログ製剤によりB型キャリアのHBV量をコントロールすることが可能になっている.慢性肝炎や肝癌の予防ではその有効性が明らかにされつつあるが慢性肝不全特に非代償性肝硬変において有効性は明らかではない今回抗ウイルス療法が非代償性肝硬変においても有用であるか検討した.【症例および方法】平成16年から19年まで当院にて加療したB型非代償性肝硬変症例8例(男性5例女性3例平均年齢55歳)抗ウイルス剤はラミブジン4例エンテカビル4例を使用し2例はbreak through hepatitisのためアデポビルを併用した.慢性肝炎急性増悪による肝不全は今回の検討では除外している.【結果】今回の平均使用期間は19ヶ月(4-43ヶ月)である開始時に全例中等度以上の腹水があり肝性脳症の併発は1例に認めた.投与時において肝癌合併は3例認めている.投与開始時(平均)はAlb 2.8g/d亘t PT 52%T.Bili 3.5mg/dlAST 83.OIU/(il ALT90.51U/dlplt 5.1万/U1HBV-DNA 6.5Log copy/mlHBe抗原陽性例は4例HBe抗体陽性例4例でありgenotype Cを5例に認めた肝予備能の評価としては全例child-Pugh c平均10、8点(1(H3点)であった.平成19年10月までの検討では6例生存し2例の死亡を認めている.1例は門脈血栓症による肝不全死でありもう1例はコントロール不良の肝癌死であった.生存例のうち腹水は5例で消失し1例は投与1年以上にもかかわらず現在も残存している.投与6ヶ月での治療効果(平均)はAlb 3.1g/dlPT 58.0%TBili 32mg/dlAST5331U/dlALT 35.91U/dlplt 6.6万/ulHBV-DNA 3.4Log copy/mlCh且d-Pugh7.7点であったウイルスはほぼ基準以下まで減少しt腹水およびアルブミン蛋白合成能の改善を認めた症例数が少ない検討ではあるが非代償性肝硬変においても抗ウイルス療法が有効であると考えられた
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