セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P513 HIV/HBV重複感染症例に対する核酸アナログ治療 |
演者 | 葛下典由(国立病院機構大阪医療センター・消化器科) |
共同演者 | 三田英治(国立病院機構大阪医療センター・消化器科), 末吉由佳(国立病院機構大阪医療センター・消化器科), 大田真紀代(国立病院機構大阪医療センター・消化器科), 西出憲史(国立病院機構大阪医療センター・消化器科), 藤田実(国立病院機構大阪医療センター・消化器科), 森田香織(国立病院機構大阪医療センター・消化器科), 戸高明子(国立病院機構大阪医療センター・消化器科), 白畠伸宏(国立病院機構大阪医療センター・消化器科), 山本佳司(国立病院機構大阪医療センター・消化器科), 結城暢一(国立病院機構大阪医療センター・消化器科), 池田昌弘(国立病院機構大阪医療センター・消化器科), 加藤道夫(国立病院機構大阪医療センター・消化器科) |
抄録 | 【目的】現在のHlv/且BV重複感染例の治療ガイドラインは抗HIV療法(1{AART)を要するがB型肝炎の治療が必要でない場合抗HBV薬を温存することを勧めている.しかし重複感染例ではHAART開始後免疫再構築により肝障害が生じることがあり抗HBV薬を含むレジメンを選択する場合もある.今回我々は当院のHIV/HBV重複感染例でHAART導入症例における核酸アナログ治療経過について検討した.【方法】当院を受診したHBV/HIV重複感染・HBsAg陽性のB型慢性肝炎患者のうちHAARTを開始した15例について抗ウイルス薬の種類HBV-DNA量の推移HIV-RNA量などについて検討した.【成績】HAART開始時の選択薬として抗HBV薬単剤(3TC:ラミブジン)を含んでいたのが4例抗HBV薬2剤(3TC:ラミブジン+TDF:テノホビル)を含んでいたのが8例(1例は3TCからの変更)抗HBV薬を含まないレジメンは4例であった抗HBV薬を含まないHAARTを開始した4月中治療前HBVが高ウイルス量(510g copies/mL以上)であった2例で強い肝障害が起こり抗HIV薬の副作用も認めたためAZT+ddlからTDF+FTCあるいは3TCへ変更した(1例は劇症化).抗HBV薬として3TC単剤を含むHAARTで開始した4例中2例(HBVは高ウイルス量)では2例ともHBV-DNA量の低下は認めず肝障害も認めた1例で3TC+TDFへ変更した.3TC+TDF2剤含むHAARTで開始した8例は全例HBV-DNA量はすみやかに減少し26ヶ月以内に全例HBV-DNAは陰性化した(平均12ヶ月)ALT値は軽度の異常を示す1例を除く7例で正常化した(平均観察期間27ヶ月)これら8例のHIV量はすべて感度以下でありCD4値も400以上に保たれている.【結論】HIV/HBV重複感染症例でHBV-DNA量が高値の場合3TC+TDFを含むHAARTで治療を開始するべきである.このことはB型慢性肝炎治療における多剤併用療法の有用性を示唆するものと考える. |
索引用語 |