セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P518 NAFLD患者におけるピタバスタチンの効果についての検討

演者 飛田博史(島根大学消化器・肝臓内科)
共同演者 古田晃一朗(島根大学消化器・肝臓内科), 石根潤一(島根大学消化器・肝臓内科), 岡本栄祐(島根大学消化器・肝臓内科), 三宅達也(島根大学消化器・肝臓内科), 佐藤秀一(島根大学消化器・肝臓内科), 石原俊治(島根大学消化器・肝臓内科), 天野祐二(島根大学消化器・肝臓内科), 足立経一(島根大学消化器・肝臓内科), 木下芳一(島根大学消化器・肝臓内科)
抄録 【目的】検診受診者の約3割に脂肪肝を認める現状にありながらNAFLD患者に対する治療薬は未だ確立されていない.一方強力なコレステロール低下作用を有するピタバスタチンはCYP代謝をほとんど受けないため薬物相互作用が少なくわが国で2万例を対象としたLIVES studyでもその安全性が確認された薬剤である.高コレステロール血症を伴うNAFLD症例に対するピタバスタチンの有効性を明らかにすることを目的としてpilot studyを行った.【方法】2006年1月から2007年10月まで当科で診療を行った高コレステロール血症を合併しtransaminase値上昇を認めるNAFLD症例16例を対象とした.脂肪肝の診断は腹部エコー腹部単純CTあるいはエコー下輩生検にて行った全例にピタバスタチン2mg/dayの投与を行い投与開始前3ヵ月後6ヶ月後に血液検査や身体計測を行った【結果】症例は男性14例t女性4例平均年齢51.9±17.0歳平均BMI 27.1±4.8.6ヶ月間の投与で総コレステロール値は240.4±31.7mg/dlから1888±29.3mg/dl(一21.5%p<ODOI)LDLコレステロール値は150.0±33.4mg/dlから105.9±22.3mg/dl(一29。4%p〈0.001)まで各々有意に低下した.それと同時にALT値も96.8±53.41U/dlから72.3±46.OIU/dl(一25.3%p=O.05)まで有意に低下した. BMI血圧血糖値ビアルロン土日など他の測定項目に関しては投与前後で有意な変化はみられなかった.すべての症例において明らかな副作用は認めなかった.【結論】ピタバスタチンの投与は高コレステロール血症を伴うNAFLD症例においてコレステロール値改善効果とともにtransaminase値も有意に減少させNAFLD治療薬としての有用性が示唆された.
索引用語