セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P520 自己免疫性肝炎における肝表面性状と臨床病態との比較検討 |
演者 | 木下晃吉(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科) |
共同演者 | 石川智久(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科), 穂苅厚史(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科), 銭谷幹男(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科), 石黒晴哉(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科), 中野真範(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科), 玉城成雄(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科), 国安祐史(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科), 小池和彦(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科), 高橋宏樹(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科), 渡辺文時(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科), 田尻久雄(東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科) |
抄録 | 【目的】特徴的な肝表面性状を呈するとされる自己免疫性肝炎(AIH)は慢性ウイルス性肝炎(CVH)に比し病変の肝内分布が不均衡であり病理診断においても検体採取の部位差での所見の相違に留意すべきことが指摘されている.今回腹腔鏡(LS)による肝表面性状と組織学的所見並びに臨床病期病勢との関連について検討した【方法】当科で診断加療中に腹腔切下肝生検を行ったAIH 51例(男性4例女性47例:n8.7±14.3歳)を対象とした.LS所見は赤色紋理自色紋理被膜混濁肝表面陥凹を各々3段階に半定量化し組織学的所見はIshakのmodified HAIスコアに準じて評価した.またA皿1において特徴的所見とされる形質細胞浸潤肝細胞のロゼット形成と胆管病変の有無についても検討した.さらに血液生化学検査値やAIHscoring system(international AIH group.1999)としS所見についても併せて相検討した.【結果】LS所見において赤色紋下は門脈域での炎症所見と有意に相関し血液生化学検査と比較しても肝局所における活動性を的確に反映することが明らかになった.さらに赤色紋理が高度なものほど肝線維化の進展がみられた.一方で従来CVHにおいて門脈域からの肝線維化進展の指標とされる白色紋理はAIHにおいて関連は認めなかった.肝表面陥凹と門脈域炎症所見と肝線維化進展に対しては相関がみられさらに血小板数においては逆相関の傾向が見られた.また血小板数と肝線維化には関連を認めずCVHと異なり血小板数は肝線維化進展の指標とは成り得なかった【結語】今回AIHにおいて赤色紋理と肝表面陥凹が門脈域の線維化進展と炎症所見を的確に反映することが明らかになった.LSによる肝表面性状の観察はAIHの診断精度の向上において有用であることが確認された. |
索引用語 |