セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P524 当院における超高齢者の肝細胞癌治療の現状

演者 林亮平(県立広島病院消化器内科)
共同演者 北本幹也(県立広島病院消化器内科), 野田育江(県立広島病院消化器内科), 山田博康(県立広島病院消化器内科), 隅岡正昭(県立広島病院消化器内科), 今川勝(県立広島病院消化器内科), 中原英樹(県立広島病院一般外科), 福田康彦(県立広島病院一般外科), 沖本智明(県立広島病院放射線科), 門前芳夫(県立広島病院放射線科)
抄録 【目的】近年肝細胞癌症例の高齢化が顕著となってきている.当院における高齢者・超高齢者の肝細胞癌の特徴について検証した.【対象と方法】対象は平成13年4月から19年9月までに当院にて初回発見した肝細胞癌患者366名(男性259名女性107名平均年齢68.6±9.7歳).治療時の年齢が65歳までを成人群(113名)66歳から79歳を高齢群(219名)80歳以上を超高齢群(34名)として臨床病理学的諸因子治療法予後などについて比較検討した.【成績】Eti-010gyの検討では成人群ではHBV例が41%と他門と比較しHBV例の割合が高値であったのに対し高齢群および超高齢群ではHCV例がそれぞれ84%68%と多数を占めていた.また超高齢群では他群よりNBNC例が多い傾向にあったchild-Pugh分類においてchild Aの症例は成人群で65%高齢群で75%t超高齢群で80%といずれの群でもChild Aが半数以上であり高齢症例で良好な傾向にあった.HCCのステージは各群間において大差は認められなかった治療方法の選択では外科治療あるいはRFAなどの根治的治療を選択した症例は成人群で54%高齢群で51%と半数以上であったのに対し超高齢群ではわずか21%にとどまった.またt超高齢群の32%が無治療であった.しかし根治的治療を選択した症例の予後は年齢層に関らず良好であり5年生存率は50%を超えていた.心血管系疾患・腎疾患を有する症例は成人群で7%高齢群で8%であったが超高齢群では24%と高率であった.また肝細胞癌以外の悪性腫瘍を合併した症例は成人群で5%高齢群で14%超高齢群で24%であり高齢層で合併率が高くなっていた.【結語】超高齢者では肝疾患以外の疾患の合併などにより治療方針が制限されている現状が伺われた.高齢層においても根治的治療の行いえた症例の予後は良好であった.
索引用語