セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P525 最大径5cmを越える肝細胞癌に対する切除前リピオドリゼーションの再発予防効果

演者 山下洋市(九州大学消化器・総合外科)
共同演者 武冨紹信(九州大学消化器・総合外科), 森田和豊(九州大学消化器・総合外科), 福原崇介(九州大学消化器・総合外科), 植田茂(九州大学消化器・総合外科), 實藤健作(九州大学消化器・総合外科), 萱島寛人(九州大学消化器・総合外科), 井口友宏(九州大学消化器・総合外科), 丸山晴司(九州大学消化器・総合外科), 杉町圭史(九州大学消化器・総合外科), 原田昇(九州大学消化器・総合外科), 吉住朋晴(九州大学消化器・総合外科), 副島雄二(九州大学消化器・総合外科), 前原喜彦(九州大学消化器・総合外科)
抄録 【はじめに】肝細胞癌(HCC)に対する術前リピオドリゼーション(LPD)の臨床的意義に関しては未だ一定の見解を得ていない.径5cmを越える肝細胞癌は術中にAlbumin mRNA陽性細胞が有意に多く血液中に散布され(Hepatol-ogy 1998)有意に予後不良である.術後転移再発予防という観点から何らかの術前治療が必要と考え術前LPDを施行してきた.【対象と方法】1986年から2006年までに施行した最:大網が5cmを越えるHCC初回肝切除137例を対象とした.術前LPD施行群(n=42)と非施行群(n;95)で切除後生存率・無再発生存率を比較した術前LPDによる腫瘍壊死効果が予後に及ぼす効果と術前LPD施行群(n=42)と非施行群(n=95)でその再発形式を比較した.【結果】術前LPD施行群は非施行群に比し有意に術後生存率が良好(p=O.046)で無再発生存率も良好な傾向(p=0.086)があったsCox比例ハザードモデルで独立予後不良因子を検討した結果生存に関しては術中輸血あり・Stage IH/IV-A・組織学的肝硬変あり・術前LPD非施行(p=0.05ハザード比1.83)・低分化型が独立予後不良因子であり術後無再発生存に関してはStage III/IV-A・低分化型・術中輸血あり・組織学的肝硬変あり・AFP 100ng/mL以上・術前LPD非施行(p=0.03ハザード比190)が独立予後不良因子であった.腫瘍壊死効果毎(75%以上壊死・25-75%壊死・25%未満壊死)による生存率・無再発生存率に有意差を認めず術前LPD施行群(n=42)と非施行群(n=95)で肝内3個以下再発・残肝多発/遠隔転移再発などの再発様式には有意差を認めなかった(p = O.46).【まとめ】最大径5cmを越える巨大肝細胞癌に対する切除前LPDは切除後予後を向上させる可能性がある
索引用語