セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P528 慢性肝疾患患者におけるMRI拡散強調画像の意義

演者 小林真(市立四日市病院消化器科)
共同演者 山脇真(市立四日市病院消化器科), 桑原好造(市立四日市病院消化器科), 山田晋太朗(市立四日市病院消化器科), 矢野元義(市立四日市病院消化器科)
抄録 【背景】MRI拡散強調画像(diffusion weighted image:以下DWI)は水分子の拡散を画像に応用したものであり脳梗塞の超急性期における虚血性細胞性浮腫や悪性腫瘍などの細胞密度の上昇間質の線維化等水分子の拡散が制限される場合に高信号になるとされる.拡散はTlT2緩和とは異なる物理現象であり血流動態をみる造影CTとも異なるアプローチが可能である.われわれはDWIを肝疾患患者のフォローアップや肝細胞癌のスクリーニングとして有用であるか検討した.また拡散係数(Apparent di血sion coefflcient:以下ADC)が肝線維化の程度に関係するとの報告も多い.【対象および方法】慢性肝疾患患者に対してシーメンス社MEGNETOM Avantoを用いb値800sec/mm2自由呼吸下にDWIを撮像した.またADCは平均値を測定し血小板数との相関を検討した.【結果】肝細胞癌は基本的に高信号で描出されMRI T2強調画像との組み合わせにより診断に有用であると考えられた.DWIでは血管信号が消失する特徴があり造影CTと組み合わせることによりシャントとの鑑別に有用である可能性が考えられた.また今回の検討ではADCと血小板数の間には相関する傾向(P<0.1)が見られた.【結論】肝三葉では心拍動のため信号が低下し腹部超音波検査で補う必要があるがDWIは被爆の問題や造影剤の副作用もないため肝疾患のフォローアップや肝細胞癌のスクリーニングに有用である.また他の画像診断と組み合わせることにより精査にも有用であり肝線維化の評価にも利用できる可能性があると考えられた.
索引用語