セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P529 Single-level dynamic CTHAを用いた客観的肝腫瘍血行動態解析の試み

演者 小林聡(金沢大学放射線科)
共同演者 松井修(金沢大学放射線科), 蒲田敏文(金沢大学放射線科), 香田渉(金沢大学放射線科)
抄録 【目的】Single-level dynamic CT during hepatic arteriography(SLD-CTHA)は肝動脈造影剤CT撮影時にテーブル移動を行わず目的とする肝腫瘍や肝病変を数十秒間連続して撮影することにより病変の動脈性血行動態を詳細に観察する検査手法である.今回我々はSLC-CTHAを用いた肝腫瘍血行動態解析の客観化を試みたので報告する.【対象と方法】2007年4月から6ヶ月間に臨床的に多血性肝細胞癌と診断され血管造影施行時にSLD-CTHAを施行された21例.群肝動脈あるいは固有肝動脈からヨード系造影剤を1.8ml/秒(10秒間)の速度:で注入を行い注入開始から呼吸停止下40秒間連続でCT撮影を施行した.腫瘍のごく近傍の肝実質内の肝動脈枝に造影剤が到達した時間を基準(T=0秒)として腫瘍全体が染まりを呈した時間(Ts)腫瘍周囲の門脈枝あるいは実質の染まり(ドレナージ)を認めた時間(Td)t背景肝と腫瘍部分の染まりの程度がほぼ同一になった時間(Tw)としてそれぞれの値を求めた.また腫瘍のサイズを2cm未満と2cm以上で2群に分け腫瘍サイズとこれら時間に関係があるか検討した.【結果】検討腫瘍サイズは2.8土1.7cm全体のTsTdTwはそれぞれ4、0±1.27.1±1.914.1±3.5(秒).腫瘍サイズ2cm未満ではTsTdTwはそれぞれ3.4±0.96.0±1.212.3±3.5(秒)腫瘍サイズ2cm以上ではTsTdTwはそれぞれ4.5±1.27.9±2.015.4±4.4(秒)であり腫瘍サイズ2cm未満群と2cm以上群でTsTdにそれぞれ有意差を認めた(p<.05).【結ee] SLD-CTHAで多血性肝腫瘍の造影剤到達後濃染出現ドレナージ開始およびウォッシュアウトまでの時間をそれぞれ定量的に算出した.これらのうち濃染出現ドレナージ開始時間はそれぞれ腫瘍径が2cm未満と2cm以上で有意差を認めたがウォッシュアウトまでの時間には有意差を認めなかった.
索引用語