セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P535 DUPAN2の上昇と共に短期間で急速な増大を来たし胆管細胞癌との鑑別が困難であった炎症性偽腫瘍の一例 |
演者 | 若杉英樹(札幌医科大学第一内科) |
共同演者 | 長谷川由佳(札幌医科大学第一内科), 阿久津典之(札幌医科大学第一内科), 大関令奈(札幌医科大学第一内科), 大橋広和(札幌医科大学第一内科), 高木秀安(札幌医科大学第一内科), 山本博幸(札幌医科大学第一内科), 佐々木茂(札幌医科大学第一内科), 篠村恭久(札幌医科大学第一内科), 永山稔(札幌医科大学第一外科), 水口徹(札幌医科大学第一外科), 平田公一(札幌医科大学第一外科), 長谷川匡(札幌医科大学病理部) |
抄録 | 症例は63歳男性.主訴:特になし.平成19年2月右季肋部痛にて他院を受診し胆嚢炎の疑いで入院となった.抗生剤投与により軽快したがその際の腹部CTにて肝S6に腫瘤性病変を指摘されさらなる精査目的に前医転院となった.前医で施行されたPETにて肝SlおよびS6に集積を認めたため肝腫瘤の精査目的に同年3月当科転院となった.肝炎ウイルスマーカーは陰性であり臨床的に背景肝は正常と考えられた.CTAPにて肝S6に2cm大の欠損を認めたがS1病変は区域性の欠損となり評価できなかった.CTAではS6病変は濃染し、後期相でも造影効果が遷延した.またS1病変は後期相で約2cmのリング状造影効果を示した.画像所見より悪性腫瘍を考え確定診断のためS6病変より狙撃生検を行った.なおS1病変は脈管損傷の危険があり生検を行わなかった.生検の結果悪性所見は認めず炎症性腺腫瘍という結果であった.しかしt当初よりDUPAN2の高値を認めておりS1病変の厳重な観察が必要と考え1ヶ月後にCT再検とした.約1ヶ月後のCTにてS1病変の急激な増大を認め同時にDUPAN2の急激な増加を認めたため同年5月当科再入院となった.S1病変は下大静脈を巻き込むように5cm大の腫瘤を形成しB1の拡張を伴っていた.なおS6病変には明らかな増大傾向を認めなかった.臨床経過および画像所見より胆管細胞癌を強く疑い手術目的に同年5月第一外科へ転科となり拡大肝右眼切除術および下大静脈置換術が施行された病理組織の検討では悪性所見は認めず腫瘤は高度の線維化を示し胆管周囲には形質細胞リンパ球好酸球主体の著明な炎症細胞浸潤を認め炎症性偽腫瘍に矛盾しない所見であった.また病変内の胆管内罐に結石を認め化膿性胆管炎の所見を有し炎症性偽腫瘍の形成に関与したと考えられた. |
索引用語 |