セッション情報 | 一般演題(ポスター) |
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タイトル | P545 NASHによると思われる肝硬変に合併した胃静脈瘤に対して施行した経頸静脈的逆行性胃静脈瘤塞栓術(TJO)後腹水顕性黄疸を来たした1例 |
演者 | 村上匡人(村上記念病院内科) |
共同演者 | 西野圭一郎(村上記念病院内科), 佐藤孝夫(村上記念病院内科), 高岡洋子(村上記念病院内科), 村上重人(村上記念病院内科), 村上凡平(村上記念病院内科), 近森文夫(国吉病院消化器外科) |
抄録 | はじめに:無症状で経過し静脈瘤破裂による吐血によってはじめて肝硬変と診断される例は最近では多くない一方孤立性胃静脈瘤に対するIVRとしての経頸静脈的逆行性胃静脈塞栓術(TJO)は安全確実な方法としてスタンダードな治療となってきている今回胃静脈瘤破裂による吐血によりはじめて肝硬変と診断されその原因としてNASHが考えられまたTJO後に一過性の肝不全を来たした稀な例を経験したので報告する症例:63歳男性飲酒歴なし.10年ほど前より脂肪肝を指摘されていた.2007年2月13日未明上腹部の不快感を生じ吐血したため救急車で来院入院となった.緊急内視鏡検査では胃内に凝血塊を認め顕性出血は明らかでなかったが再検にて孤立性胃静脈瘤と診断した.またChild Bの肝硬変と診断した.以後出血を認めず待期的に治療を行うこととなった.2月21日TJOを施行した術前の閉塞肝静脈圧は217mmH20であった.5%EOIを16ml注入しカテを留置翌日の造影では血栓化傾向を認めたが不十分置判断し5%EOIを10ml注入しさらにその翌日血栓かを確認しカテを抜去した閉塞肝静脈圧は300㎜IEOであった.カテ抜去翌日には黄疸湘立ち総ビリルビン値は7.Mmg/dlと上昇.腹部超音波検査では腹水を認めたが門脈に血栓を認めず血流が確認できた以後黄疸腹水は軽快した.また胃静脈瘤も縮小し後に消失した.考案:以前より脂肪肝を指摘されていたが放置し胃静脈瘤の破裂によりはじめて肝硬変への進展が明らかとなった.原因としてはNASHが最も考えられそれによる胃静脈瘤破裂という稀な症例と思われた.またTJO後に一過性ではあるが肝不全傾向となった原因は閉塞肝静脈圧の上昇やEOIの量肝予備能からは考えにくいと思われた今後増加するであろうNASHとの関連も否定できず示唆に富むと思われた. |
索引用語 |