セッション情報 |
一般演題(ポスター)
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タイトル |
P547 Humoral hypercalcemia of malignancy(HHM)および著明な白血球増多症を呈した胆嚢癌の一例
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演者 |
静間徹 |
共同演者 |
中山宏幸, 大原正志(国際医療福祉大学病院消化器内科) |
抄録 |
【はじめに】humoral hypercalcemia of malignancy(HHM)は腫瘍随伴症候群のひとつとして知られているが胆嚢癌においては一例の本邦報告例を認めるのみである.今回われわれはHHMおよび著明な白血球増多症を呈した胆嚢癌の一例を経験したので報告する.【症例1患者は82歳女性.食思不振・上腹部痛の精査にて平成19年1月に当科に入院入院時WBC 39700/p且Alp 530U/1AST 23U/1ALT 10U/1Ca(アルブミン補正値)14.5mg/dlP 2.Omg/dlCRP 4.8mg/dlであった.画像検査上胆嚢は同定されず肝右脚に径11cm大の単発性の腫瘤が認められ胆嚢癌・肝浸潤と考えられた.【経過】高Ca血症については骨転移は認めず血中PTH intact値の低下・PTHrP値の高値(8.Opmol/1)が認められたことからHHMと考えられた.白血球増多症(最終52500/叫)については血漿G-CSF値が高値(195pg/ml)で好中球が常に94%以上を占めていたこと臨床経過上は感染症を認めなかったことからG-CSF産生腫瘍の可能性が考えられた.高Ca血症に対して補液・利尿剤・ビスフォスフォネートの投与腫瘍に対しては保存的療法を施行したが入院1か月後に死亡した.剖検では広範囲な内部の壊死を伴う胆嚢癌・右横隔膜播種と診断され骨髄転移はみられなかった.組織学的には低分化型腺癌であった.なお腫瘍細胞の抗G-CSF免疫染色は陰性であった.【考察IHHMは胆嚢癌においては未分化癌・低分化型腺癌に比較的多く予後不良の場合が多いとされている.また自験例では腫瘍からのG-CSF産生は証明されなかったがt PTHrPとG-CSFはいずれも腫瘍のprogressionに関与している可能性が示唆されておりさらに腫瘍から同時に産生される場合も少なくないことが知られている. |
索引用語 |
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