セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P550 胆嚢腺筋症に合併した進行胆嚢癌の一例

演者 寺本仁(国立病院機構名古屋医療センター)
共同演者 初野剛(国立病院機構名古屋医療センター), 近藤建(国立病院機構名古屋医療センター), 佐藤康幸(国立病院機構名古屋医療センター), 青山英昭(国立病院機構名古屋医療センター), 片岡政人(国立病院機構名古屋医療センター), 三浦啓多(国立病院機構名古屋医療センター), 林孝子(国立病院機構名古屋医療センター), 中山裕史(国立病院機構名古屋医療センター), 山村和生(国立病院機構名古屋医療センター), 堀田佳宏(国立病院機構名古屋医療センター), 高野奈緒(国立病院機構名古屋医療センター)
抄録 症例は49歳男性.毎年健康診断にて近医で腹部超音波検査をうけていた.2007年7月右季肋部痛にて近医を受診腹部超音波検査にて胆嚢癌胆嚢床浸潤の疑いにて当院へ紹介された。既往歴家族歴は特記すべきことなし.入院後腹部CT検査で胆嚢は充実性の腫瘍性変化があり胆嚢に接して肝S5にひろがる直径10cm大の腫瘍を認めた.腹部血管造影検査では胆嚢の腫瘍濃染は認めなかった.腹部超音波検査では胆嚢壁の肥厚肝S5への浸潤像以外にはあきらかな肝転移を認めなかった。内視鏡的逆行性胆道造影検査では胆嚢内国に隆起性病変はなく理外胆管にはあきらかな異常を認めなかった.内視鏡的超音波検査では総胆管周囲のリンパ節が腫脹しており転移も疑われた.この症例に対し胆嚢癌胆嚢床浸潤と診断し我々は肝中央2区域膵頭十二指腸切除術をおこなった.術中所見は胆嚢癌:GfGbGn平坦浸潤型SOHinf3H1BinfOPVOAOPON2(#13a)M一St(+)surgical stage:T3N2MOstageIVであった.切除した胆嚢は全体的に肥厚しており粘膜面は平滑であきらかな隆起性病変は認めなかった.病理検:査結果では胆嚢腺筋症腺管内に高円柱状異型細胞からなる上皮内癌成分を確認した.肝の腫瘍は胆嚢と連続しており胆嚢の腫瘍の方が分化度が高いため胆嚢癌胆嚢床浸潤と診断した胆嚢腺筋症は日常臨床でよく遭遇する良性疾患である.無症状であれば経過観察とするのが一般的と考えられるが癌と鑑別が困難である場合等は手術の適応となる.今回我々は胆嚢腺筋症内に発生した進行胆嚢癌の一例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する
索引用語