セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P551 胆管断端神経腫の1例

演者 鈴木歩(八戸赤十字病院)
共同演者 橋本康冬(八戸赤十字病院), 山科光弘(八戸赤十字病院), 八角有紀(八戸赤十字病院), 肥田憲彦(八戸赤十字病院), 塚原智典(花巻温泉病院内科), 上杉憲幸(岩手医科大学臨床病理), 菅井有(岩手医科大学臨床病理)
抄録 【症例】72歳女性【主訴】黄疸【既往歴】50歳時:胆石症にて手術【現病歴】平成16年頃より肝機能障害を指摘され近医へ通院していた.平成18年6月黄疸と肝機能障害の増悪を指摘され当院紹介腹部超音波にて肝内胆管及び総胆管拡張を認めMRCPでは下部胆管に結石が認められた.胆管結石による閉塞性黄疸の診断で加療目的のため当科入院.【経過】ERCでは総胆管結石を多数認めESTを施行し内視鏡的切石術を施行したまた下部から中部胆管に片側性の狭窄が認められた.狭窄部は壁外圧排様であったがIDUS上明らかな腫瘍性病変は指摘されず遺残胆嚢管による圧排と思われた.経口胆道鏡による観察では岡部は立ち上がり滑らかな隆起を呈しており周囲胆管粘膜と同様の粘膜に覆われていた.粘膜面には腫瘍性変化は認められず何らかの粘膜下腫瘍様病変が疑われた.同部からの生検でも腫瘍を示唆する所見は認められなかった.確定診断には至らなかったが積極的に悪性と思われる所見が認められなかったため経過観察の方針とした平成19年3月ERCでは同院の圧排・狭窄像は以前よりも強く観察されIDUS上二部は低エコー域の腫瘍性病変として認められたMRCPにて腫瘤の増大傾向が認められることもあり悪性疾患が否定できないため平成19年7月当院外科で開腹手術を施行.手術所見は総肝管後壁に腫瘤が認められ腫瘤は総胆管に密着していた腫瘤は白色径は約し5cm弾性・軟であった.腫瘤の剥離が困難であったために胆管切除・胆管空腸吻合術を施行した病理組織所見では腫瘍性変化は認められず粘膜下に紡錘形細胞の結節性増殖が認められた.免疫染色ではvimentin(+)S-100(++)desmin(一)α一SMA(一)H且F35(±)CD34(一)c-kit(一)p53(一)ki-67 index<1%であり胆管断端神経腫と診断された.今回我々は胆嚢切除後20年以上経過し胆管結石を契機に発見された胆管断端神経腫の1例を経験した文献的考察を加え報告する
索引用語