セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P552 重複胆管と膵胆管合流異常に合併した胆道癌の1例

演者 土田幸平(獨協医科大学消化器内科)
共同演者 菅家一成(獨協医科大学消化器内科), 菅谷武史(獨協医科大学消化器内科), 西福康之(獨協医科大学消化器内科), 吉竹直人(獨協医科大学消化器内科), 人見玄洋(獨協医科大学消化器内科), 岡本裕(獨協医科大学消化器内科), 橋本敬(獨協医科大学消化器内科), 國吉徹(獨協医科大学消化器内科), 山形道子(獨協医科大学消化器内科), 玉野正也(獨協医科大学消化器内科), 飯島誠(獨協医科大学消化器内科), 平石秀幸(獨協医科大学消化器内科)
抄録 症例:58歳男性。主訴:黄疸上腹部不快感.現病歴:平成19年7月頃より食欲不振腹部不快感が出現.近医受診し入院を勧められるも拒否.8月中旬より黄疸を認め全身倦怠感が強くなり8月17日近医受診.腹部CTにて肝内胆管の拡張を認め採血上もBi129mg/dlと高値であり同日精査加療目的に当科紹介入院となった.入院脚半症:意識清明眼結膜に貧血なし黄疸あり.血圧121/71mmHgHR86回/分体温36.9℃.腹部は心窩部から右側腹部にかけて圧痛あり腫瘤は触知せず.血液生化学=肝胆道系酵素の上昇を認めT-Bil 26.9mg/dl D-Bil 19.lmg/dlであった.WBC 12200/μ1 CRP 3.04mg/dlと軽度炎症反応を認めていた.腫瘍マーカーはCEA 7.2ng/ml CA19-912000U/ml以上であった.経過:8月17日ENBD試みるも肝門部の肝管狭窄が強くENBD tube留置は困難と判断し同日肝右葉よりPTCDを施行した. ERCでは下部胆管が2手に分かれ再び合流するという重複胆管を認め中部から肝門部胆管に強い狭窄を認めたまた同時に膵胆管合流異常も合併していた.MRCPと腹部超音波にて胆管癌と診断された.腹部血管造影上門脈と肝動脈浸潤を認め手術適応外と判断し9月11日より放射線照射+Gemcitabineを開始とした.今後は外来で放射線化学療法を継続していく予定となった.考察:今回我々は重複胆管と膵胆管合流異常に合併した胆道癌を経験した.重複胆管は非常にまれな奇形であり斉藤らの重複胆管の分類に従うと本症例は1型に分類されさらにまれな形態であった.また重複胆管膵胆管合流異常ともに発生異常に伴う先天奇形であり両者の合併は頻度が少なく若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語