セッション情報 一般演題(ポスター)

タイトル

P553 肝内結石症術後に発症した粘液産生胆管内乳頭状腫瘍の1切除例

演者 高橋道郎(東京大学肝胆膵・人工臓器・移植外科學)
共同演者 青木琢(東京大学肝胆膵・人工臓器・移植外科學), 今村宏(東京大学肝胆膵・人工臓器・移植外科學), 別宮好文(東京大学肝胆膵・人工臓器・移植外科學), 國土典宏(東京大学肝胆膵・人工臓器・移植外科學), 福嶋敬宣(東京大学人体病理学・病理診断学)
抄録 今回我々は肝内結石症術後に発症した粘液産生胆管内乳頭状腫瘍の1切除例を経験したので報告する.【症例】60歳女性.【現病歴】1970年胆石症に対して胆嚢摘出術の既往があった。また1998年肝内結石症に対し肝外側区域切除施行されていた.2007年6月上腹部痛を主訴に近医受診.尿濃染発熱および肝胆道系酵素の上昇を認め急性胆管炎の診断抗生剤を投与したところ速やかに症状改善した.CTUSにて総胆管および肝内胆管の拡張認めERCP施行. EST施行すると多量の粘液排出を認めた.その後ERCP施行し粘液除去繰り返すも残存あり.粘液産生胆管腫瘍疑いで当院入院.MRCPおよび造影CTにて両側胆管拡張および後区域胆管根部の狭窄像を認めまた画像上粘液産生性の病変本体はB4と考えられた.B5B6およびB7は泣き分かれた状態で正確な病変の範囲を同定するのは困難であった.B5B8にPTBDを挿入しドレナージを行った.臨床的には外科治療適応と判断.2007年10月手術施行.【手術所見】B5/6/7根部だけではなくその末梢にも飛び石状に狭窄が及んでいること.また手術時点では黄疸症状等を認めなかったことから左肝切除のみを行った.肝管切除時には多量の粘液の流出が見られ内腔近くに乳頭状の腫瘍が視認できた.【病理所見】病変は拡張蛇行する胆管内にありその内腔の被覆上皮を置換するように高円柱状の腫瘍細胞が乳頭状に増殖している.細胞は粘液産生性であり腫瘍細胞内に多くの粘液貯溜を認める。個々の腫瘍細胞は中等度異型性腺腫を主体とし部分的にnon-in-vasive carcinomaが混在する腫瘍である.断端は腫瘍陰性である.
索引用語