セッション情報 |
パネルディスカッション22(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
PEGの適応と安全管理
|
タイトル |
内PD22-4:予後推定栄養指数PNIを用いたPEG適応基準の前向き検討
|
演者 |
足立 靖(札幌しらかば台病院・消化器科) |
共同演者 |
秋野 公臣(札幌しらかば台病院・消化器科), 遠藤 高夫(札幌しらかば台病院・消化器科) |
抄録 |
【背景】内視鏡的胃痩造設術(PEG)は脳血管障害、神経筋疾患、悪性腫瘍等によって嚥下障害を有する患者の栄養手段として広く普及している。しかし、術中、術後の合併症のみならず早期死亡(術後30日以内)も報告されており、術前にハイリスク患者を同定することは術者のみならず患者・家族にとっても重要である。当院でのPEG早期死亡例の検討から、PEG後の早期死亡と栄養状態には相関を認め、小野寺らの予後推定栄養指数(PNI) 37未満が術後早期死亡の予測因子となりうることを2011年の第81回本総会で報告した。また、層別解析においてPNIが37未満でも、術前に栄養状態を改善することで早期死亡を回避できる可能性が示唆された。【目的】術前栄養評価においてPNI37未満がPEG後の早期死亡の予測因子であるか、さらに適応基準の一項目となるかを前向きの検討にて明らかにすること【対象】H23/1/1からPEGを施行する患者【方法】当院でのPEG適応症例(a.嚥下障害を有している b.3ヶ月以上の生存が見込まれる c.患者・家族の同意が得られている)をPNIによりA群: 37以上(PEG可能)、B群: 37未満(栄養改善後にPEG施行)の2群に分け、合併症、早期死亡、生存率などを比較検討した。【結果】中間解析結果を示す。H23/1/1から12/30までに登録された患者は65例で、eligible criteriaを満たした症例は58例であった。年齢は82.4(58 - 95)才、男性28名、女性30名、PNIは37.9(23.8 - 55.7)であった。A群は34例、B群は24例で、PEGを受けた症例はA群で30例(88.2%)、B群で12例(50.0%)であった。総死亡数は10例(17.2%)でA群:1例(2.9%)、B群:9例(37.5%)であった。PEG造設した患者42例うち早期死亡は1例のみであった。一方、PNI37未満でも術前に栄養介入することにより、安全にPEGが可能であった。【結語】中間解析結果から、PNIはPEG後の早期死亡の予測因子として非常に有用であり、PEG適応基準の一項目として妥当と考えられた。今後も症例追加し、検討を続ける予定である。 |
索引用語 |
予後推定栄養指数PNI, PEG適応基準 |