セッション情報 |
パネルディスカッション22(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
PEGの適応と安全管理
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タイトル |
内PD22-6:GFOは経内視鏡的胃瘻造設術後の経管栄養の下痢を抑制する
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演者 |
岩倉 研二(牧病院・消化器内科) |
共同演者 |
吉田 隆(牧病院・消化器内科), 樋口 和秀(大阪医大・2内科) |
抄録 |
【目的】経内視鏡的胃瘻造設術(PEG)後に経管栄養を開始すると下痢が出現することも少なく、経腸栄養剤の投与速度や濃度・種類の変更、整腸剤や止瀉薬の投与等で対応されることが多いが、下痢が高度な場合は経管栄養を中止せざるを得ないこともある。GFOはグルタミン、ファイバー、オリゴ糖を含有する粉末清涼飲料であるが、絶食により萎縮した小腸絨毛の萎縮を改善し、腸管細菌叢のバランスを調整する効果があるとされている。我々はPEGが施行された症例に対する経管栄養剤の開始後の下痢の予防目的にてGFOを投与し、その抑制効果を以前より報告してきたが、さらなる検討を行ったので報告をする。【方法】当院でPEGが施行された118例を、GFO投与55例(A群)、整腸剤投与30例(B群)、コントロール33例(C群)で、下痢の発生、整腸剤・止瀉薬の追加投与、下痢に対する経管栄養剤の変更・中止の頻度について比較検討した。(1週間未満の絶食期間を短期絶食、1週間以上を長期絶食とした。)【成績】下痢の発生は、A群で32.7%(短期5.9%、長期44.7%)、B群で76.7%(短期85.7%、長期73.9%)、C群で60.6%(短期55.6%、長期66.7%)であった。整腸剤・止瀉薬の追加投与は、A群で9.1%(短期5.9%、長期10.5%)、B群で10.0%(短期14.3%、長期8.7%)C群で21.2%(短期16.7%、長期26.7%)であった。下痢にて経管栄養剤の変更・中止した症例は、A群で0%(短期0%、長期0%)、B 群で16.7%(短期42.9%、長期8.7%)、C群で12.1%(短期11.1%、長期13.3%)であった。A群でのみ長期絶食と比較して短期絶食で下痢の発生頻度は有意差を持って低下した。A群で通常の経管栄養剤と半固形食の間に下痢の発生頻度に有意差はなかった。【結論】GFOを投与することによって、下痢の発生が有意に抑制された。整腸剤・止瀉薬を追加投与や経管栄養剤の変更・中止の頻度も減少し、PEG後に経管栄養を開始する前にGFOを投与することは非常に有用であると考える。 |
索引用語 |
GFO, PEG |