セッション情報 パネルディスカッション22(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)

PEGの適応と安全管理

タイトル 消PD22-7:

安全かつ機能性の向上を目指した“Computer-aided PEG”の実践

演者 中村 篤志(横浜新緑総合病院・消化器内科)
共同演者 牧山 裕顕(横浜新緑総合病院・消化器内科), 田中 耕平(横浜新緑総合病院・消化器内科)
抄録 【目的】PEGは主に全身状態の低下した高齢者、悪性腫瘍患者を対象とする内視鏡的手術手技であり、近年の症例数増加に伴い手技に伴う合併症や早期死亡例も少なくない。また造設後トラブルの一因として造設位置が関係し、当科ではPEGの安全な造設、機能性を重視しコンピューター3D画像、仮想内視鏡画像(VE)を応用した“Computer-aided PEG”を実践しており、中間結果を報告する【方法】倫理委員会承認の臨床研究として2011年9月からPEG対象の18例、男女比:9/9、平均年齢81.7歳(51-97)について検討し、原疾患は悪性腫瘍、肺炎、脳血管障害等であった。造設前検査として全例に腹部CT検査を施行し、CTは内視鏡直後(n=7)又は内視鏡未施行例(n=11)は鎮痙剤使用と胃管から空気注入による内視鏡検査と同じ条件で撮影した。CTのデジタル画像データをPC(iMac:Apple Inc.)と画像解析ソフト(Osirix)を用いVR(ボリュームレンダリング)、MPR(軸位断、冠状断、矢状断)とVEの各画像を作成した。胃と周囲臓器の関係からPEG可否を診断し、予測造設位置をVE画面の胃粘膜上にtaggingした。実際の手技は内視鏡医はVE、術者はVRの各画像のtagをナビゲーションに胃壁固定後イントロデューサー法で行った。【結果】術前3D画像によりPEG不適と診断された4例(横隔膜ヘルニア、高位横行結腸)と病態悪化2例を除く12例に造設した。手技に伴う合併症はなくVEによる術前シミュレーションと同じ視野でPEGの造設が可能であり、造設部は予測位置と一致した。さらに進行食道癌、胃・十二指腸ポリープ、胃壁外圧排はVEで描出できた。【まとめ】コンピューター支援PEGの手技は術前の評価、内視鏡スクリーニング、術中ナビゲーションをCT画像から施行可能であり安全性の向上、患者および医療者の負担軽減となる可能性が示唆された。またPEG造設位置の予測はPEGの選択、術後の管理に有益な情報になると思われた。
索引用語 PEG, コンピューター支援