セッション情報 |
パネルディスカッション23(消化器外科学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)
Colitic cancerのサーベイランスと治療
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タイトル |
外PD23-7:潰瘍性大腸炎に合併した直腸・肛門管癌に対する外科治療
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演者 |
荒木 俊光(三重大大学院・消化管・小児外科学) |
共同演者 |
井上 靖浩(三重大大学院・消化管・小児外科学), 楠 正人(三重大大学院・消化管・小児外科学) |
抄録 |
【目的】潰瘍性大腸炎におけるcolitic cancerに対する手術では根治性を優先しつつも機能温存されることが理想である。特に直腸・肛門管癌では、術後治療方針決定には慎重な判断が求められる。これまでに当科で経験した潰瘍性大腸炎に合併した直腸・肛門管癌の成績を報告し治療方針について検討する。【方法】2000年10月から2012年3月までに手術を施行した246例中、colitic cancer に対し手術を施行したのは14例で、うち癌占拠部位が直腸および肛門管であったものは5例を対象とした。【結果】手術時年齢は31~71歳(平均50.2歳)、潰瘍性大腸炎罹患期間は1.5~30年(平均15年)、癌占拠部位はRa3例、Rs/Rb1例、Rb1例、P-Rb1例であった。肉眼形態では0型3例、2型1例5型1例で、生検組織では高度異形成1例、高分化腺癌1例中分化腺癌2例低分化腺癌2例であった。切除標本で高度異形成の症例が粘液癌と診断されたが、その他の症例は生検組織診断と同じであった。全例に大腸全摘が施行され、回腸嚢肛門吻合は4例に施行された。うち2例では内肛門括約筋切除も同時に施行された。また、このうち1例では5-FU/レボホリナート+総線量45Gyの術前化学放射線療法が施行された。病期はIが2例、IIIaが1例、IIIbが1例、分類不能が1例であり、術後化学療法は4例で施行された。1例は術後1年で剥離面再発、もう1例は術後9年でimplantationによると考えられる局所再発が認められた。内肛門括約筋切除が同時に施行された2例の人工肛門閉鎖後の排便機能は良好であった。【結論】潰瘍性大腸炎に合併した直腸・肛門管癌の局所再発率は通常より高いと考えられ、より積極的な治療の必要性があると考えられた。 |
索引用語 |
潰瘍性大腸炎, 直腸癌 |