セッション情報 |
パネルディスカッション23(消化器外科学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)
Colitic cancerのサーベイランスと治療
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タイトル |
消PD23-12:Crohn 病に合併した直腸肛門管癌の特徴からみた癌サーベイランス法確立の検討
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演者 |
杉田 昭(横浜市立市民病院・外科) |
共同演者 |
小金井 一隆(横浜市立市民病院・外科), 辰巳 健志(横浜市立市民病院・外科) |
抄録 |
【目的】Crohn病に合併した直腸肛門管癌の特徴を自験例でretrospectiveに分析し、本邦で多くみられる直腸肛門管癌サーベイランスの方法を検討した。【対象、方法】自験Crohn病1164例のうち癌合併は19例(1.6%)で、最も多くを占めた直腸肛門管癌17例(1.5%)の臨床経過を分析した。また、厚労省難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班による癌サーベイランスのpilot study(10年以上経過した直腸肛門病変を対象に、大腸内視鏡検査、外来、または腰麻下での細胞診、生検を行う多施設共同研究)の自験例での結果を分析した(中間結果)。【結果】1)直腸肛門管癌11例:Crohn病平均罹病期間は18年で、癌は下部直腸にあり、IV型が55%(6例)と最も多くを占めた。癌発見の動機は狭窄が5例と多く、全例、臨床症状の変化であり、stage IIが5例、IVが3例と多くを占め、直腸切断術10例、骨盤内臓全摘術1例施行後の生存率(術後観察期間中央値40カ月)は45%(5/11例)であった。2)痔瘻癌6例:痔瘻平均罹病期間は18年、癌発見の動機は会陰部腫瘤が4例と多く、全例、臨床症状の変化であった。stage IIが3例、IVが3例で、直腸切断術4例、腫瘤切除1例、化学療法1例の予後は生存率67%であった(術後観察期間中央値12カ月)。3)厚労省pilot study:細胞診16例、生検8例を行い、悪性所見は見られなかった。現在、継続中である。【結論】長期の直腸病変、痔瘻をもつCrohn症例で、狭窄、粘液排出などの臨床症状の変化がある際には、直腸肛門の診察、細胞診、生検を行なうことにより、癌の早期診断ができる可能性がある。本邦のCrohn病に合併する癌は痔瘻癌を含む直腸肛門管癌が大多数を占めることから癌サーベイランス法の確立には本邦独自の検討が必要であり、厚労省研究班でのpilot studyで癌発見率を分析して有用性を検討する必要がある。 |
索引用語 |
Crohn病, 直腸肛門管癌 |