セッション情報 一般演題(ポスター)

大腸症例-4

タイトル

P-208 虚血性大腸炎に対する体外式超音波検査の有用性の検討

演者 岩切裕二(鹿児島市医師会病院消化器内科)
共同演者 小牧祐雅(鹿児島市医師会病院消化器内科), 岡江耕二郎(鹿児島市医師会病院消化器内科), 中武信純(鹿児島市医師会病院消化器内科), 宇都宮民治(鹿児島市医師会病院消化器内科), 下川原尚人(鹿児島市医師会病院消化器内科), 山口淳正(鹿児島市医師会病院消化器内科), 内園均(鹿児島市医師会病院消化器内科), 坪内博仁(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学)
抄録 【目的】当院では。消化管出血症例に対して全例に体外式超音波検査(以下US)を行い診断の一助としている下部消化管出血を来す疾患のうち虚血性大腸炎は頻度が高く日常臨床上重要な疾患である.虚血性大腸炎におけるUSの診断能および超音波像に関して検討した.【対象・方法】2001年4月から2009年5月までに急性の腹痛および血便が出現当院に入院しUSが大腸内視鏡より前に施行された47例を対象とした.超音波プローブは4.5MHzのコンベックス型を用いた.虚血性大腸炎のUS有所見は左側結腸を中心とする連続性およびびまん性の壁肥厚とした.虚血性大腸炎の最終診断は臨床経論服薬歴便培養および大腸内視鏡所見を総合して判断した.【結果】47例のうち32例を虚血性大腸炎と最終診断した.虚血性大腸炎以外の疾患は感染性大腸炎4例潰瘍性大腸炎1例などであった.虚血性大腸炎は男性9例女性23例で年齢62±15歳(23-87)全て一過性型であったUS有所見は23例であった.虚血性大腸炎に対するUS診断能はT感度72%(23/32)特異度100%(15/15)陽性的中率100%(23/23)陰性的中率63%(15/24).結腸壁の厚さは8.5±2.3mm(4-12.8).中心高エコーの消失を認めたのは65%(15/23).粘膜および粘膜下層の層構造の不明瞭化を認めたのは70%(16/23).US偽陰性例は9例であり正診例と比べ有意に罹患部位が口側に分布していたくp<0.05).1結論】虚血性大腸炎に対するUS診断の特異度および陽性的中率は極めて良好であった.感度の改善には横行結腸および下行結腸を丁寧に観察し壁肥厚所見を見逃さないことが必要である.
索引用語