セッション情報 |
パネルディスカッション24(消化器外科学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)
高度進行食道癌に対する治療戦略
|
タイトル |
消PD24-10:一次治療が無効になった進行再発食道癌に対するネダプラチンを用いた化学療法
|
演者 |
仁科 慎一(近畿大・腫瘍内科) |
共同演者 |
上田 眞也(近畿大・腫瘍内科), 岡本 渉(近畿大・腫瘍内科) |
抄録 |
【目的】進行再発食道癌に対する一次治療として、シスプラチン(CDDP)と5FUの併用療法が標準とされ広く行われている。食道癌に有効な薬剤として、ドセタキセル(DTX)、パクリタキセル、イリノテカンなどがあるものの、二次治療として確立されたものはない。ネダプラチンは第二世代の白金化合物であり、単剤でも高い治療効果が期待されている。二次治療もしくは三次治療におけるネダプラチンを用いた化学療法の効果及び副作用について検討した。【方法】当院で行われたCDDPと5FU併用療法が無効となり二次治療もしくは三次治療でネダプラチンを使用した進行再発食道扁平上皮癌について治療効果、副作用について評価した。二次治療としてネダプラチンとDTXの併用療法を行った8症例、CDDPと5FU併用療法さらに二次治療としてDTX単剤治療が無効となりネダプラチン単剤で三次治療を行った7症例について検討した。【成績】二次治療として行われたネダプラチンとDTXの併用療法8症例の治療効果は、PR2例、SD3例、PD3例だった。PFSは76日でOSは196日だった。非血液毒性は比較的軽度であったが、血液毒性はやや強く、Grade3/4の白血球減少、好中球減少、貧血はそれぞれ38%、63%、63%に認められた。三次治療としてネダプラチン単剤治療を行った7症例の治療効果は、PR3例、SD2例、PD2例だった。PFSは120日でOSは304日だった。単剤治療でも血液毒性は比較的強く、Grade3/4の白血球減少、好中球減少、貧血はそれぞれ43%、71%、29%に認められた。1例に発熱性好中球減少による治療関連死があった。DTXとの併用療法、ネダプラチン単剤療法いずれにおいてもGrade3/4の嘔気、嘔吐などの消化器症状は認めず、Grade3/4の腎障害も治療関連死の一例のみであった。【結論】食道扁平上皮癌に対するネダプラチンを用いた二次および三次治療は有効で忍容されると考えられた。CDDPに比べて、腎毒性は軽度だが、血液毒性が強い傾向にあった。 |
索引用語 |
食道癌, 化学療法 |