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食道

タイトル

P-211 腸管型ベーチェット病の上部消化管潰瘍

演者 山路尚久(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学)
共同演者 牧野智礼(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 小牧祐雅(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 隈元亮(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 橋元慎一(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 瀬戸山仁(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 船川慶太(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 藤田浩(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 嵜山敏男(鹿児島大学病院光学医療診療部), 坪内博仁(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学)
抄録 【目的】ベーチェット病(BD)は口腔粘膜のアフタ性潰瘍外陰部潰瘍皮膚症状眼症状を主症状とする慢性再発性の炎症性疾患である.腸管病変が主体となる場合に腸管型BDと呼ばれ病変は回盲部が最も多く次いで上行結腸横行結腸に見られる.一方腸管型BDにおける上部消化管の潰瘍性病変について報告は少なくその臨床的特徴:は十分に検討されていない.今回我々は腸管型BDの上部消化管潰瘍性病変について検討した.【方法】下部消化管内視鏡検査にて潰瘍を認め腸管型BDと診断された21症例を対象とした.【結果】食道潰瘍が2例胃潰瘍が2例に認められた.<食道潰瘍症例1>男性.34歳時に心窩部痛にて受診し円形の多発食道潰瘍と不整形の多発回腸潰瘍を認めた.その後に口腔内アフタが出現し不全型BDと診断された.回盲部潰瘍は約10か月後に出現した.<食道潰瘍症例2>女性不全型BD.23歳時に口腔内アフタ外陰部潰瘍が出現.消化管検索にて円形の多発食道潰瘍と回盲部潰瘍大腸の多発するアフタが認められた.<胃潰瘍症例1>女性不全型BD.26歳時に口腔内アフタ外陰部潰瘍が出現し29歳時に回腸穿孔で緊急手術となった.術後に体下部大弩の大きな不整形潰瘍が出現したPPI投与を続けているが難治性である.<胃潰瘍症例2>女性.22歳時に不全型BDと診断され24歳時に外陰部潰瘍出現し完全型BDの診断となった36歳時に消化管穿孔にて回盲部切除術を受けている.前庭部潰瘍を認めたがNSAID内服中止後に改善した.【結論】食道潰瘍は円形で境界明瞭であり腸管型BDの回盲部潰瘍に類似していた.回盲部潰瘍より早期または同時期に出現しておりこのような食道潰瘍を認めた場合腸管型BDを念頭に入れた消化管検索が必要と考えられた.胃潰瘍の2例は手術やNSAIDによる影響を否定できずBD特異的な病変とは言い難い.今後の更なる症例の蓄積が望まれる.
索引用語