セッション情報 |
パネルディスカッション25(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器がん検診学会合同)
H. pylori 除菌後長期経過による内視鏡像の変化
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タイトル |
内PD25-3:H. pylori(HP)除菌後の内視鏡的及び病理学的な変化に腸上皮化生及び低用量アスピリンが与える影響
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演者 |
古川 真依子(東京女子医大青山病院・消化器内科) |
共同演者 |
三坂 亮一(東京女子医大附属成人医学センター・消化器科), 長原 光(東京女子医大青山病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】我々はHP陽性の胃に特徴的な内視鏡像は体部のびまん性発赤(DR)であり、HP陰性の特徴は前庭部大弯および体部小弯の櫛状発赤(RS)であると報告してきた(Furukawa et al. Intern Med 50:951-959, 2011)。今回、DR、RSの病理学的評価を追加し、HP除菌後のDR、RSの経時的変化に腸上皮化生(IM)と低用量アスピリン(LDA)が与える影響について検討したので報告する。【方法】2001年から2011年までの間にHP除菌に成功しその後、内視鏡による経過観察ができた116例を対象とし、RSの出現率に対する影響を、HP除菌前のIMの有無(有/無: 57/59例)で比較した。また、LDA内服者(14名)の除菌後のDRの消失率をコントロール群と比較検討した。更にDRの消失に関与する因子を多変量解析で分析した。【結果】除菌後、体部でDRが消失した部位では炎症細胞は消失しており、除菌後出現したRS部分には炎症細胞浸潤はなく毛細血管の拡張のみを認め、これはHP陰性のRSの所見と同一であった。除菌後5年のRSの出現率については、IM(+) vs.IM(-) = 6/37 vs.20/29, P<0.01とIM(+)で有意に低値であった。また、除菌後1年のDR消失率についてはLDA(-)vs.LDA(+) = 66/75 vs. 3/14, P<0.01とLDA(+)で有意に低値である一方、5年後では有意差がみられなかった。また、DR消失に関する因子を多変量解析で検討するとLDA服用のみが有意であった。【結論】HP除菌後にDRが消失し、RSが出現することは、組織学的胃炎の改善に一致していた。また、除菌前にIMの存在する場合はRSが出現しにくく、LDAはDRの消失を遅延させることが明らかになった。 |
索引用語 |
H. pylori, 低用量アスピリン |