抄録 |
【目的1本邦のBarrett食道癌は近年増加傾向にあるが未だ症例数が少ない.Barr¢tt食道癌に関する疫学をも含めた研究・報告は欧米からのものが多く本邦からはまだ少ないのが現状である..欧米でもわずか30年前にはBarrett食道癌は本邦並み1に少なかった事を考慮すると今後注意深く経過を追っていかねばならない疾患であるそこで当科および本邦のBarrett食道癌を検討しBarrett食道癌の発生頻度年度別発生数好発年齢や性差.GERDや食道裂孔ヘルニアとの関連Barrett上皮内での癌発生部位について述べる【方法】当科のBarrett食道癌54例と本邦報告768例計822例を対象とし臨床病理学蘭に検討した.K成績】当科の小食:道癌1に占めるBarrett食道癌の頻度は1.6%.自覚症状は症状がなく検診発見されたものが最:も多く次いで胸やけであった.年度別発生数は当科では1982年に第1例を経験しその後1997年から増加傾向にある.本邦報告例でも1999年以降急速に増加している.年齢は32-92歳平均642歳男女比は6:1食:道裂孔ヘルニアと逆流性食道炎の合併を83%77%に認めた.Barrett上皮内での腫瘍の位置は口語右側壁に多かった.肉眼型は表在癌ではO-lla0一皿c進行癌では3型が多かった【結論】1.Barrett食道癌の頻度は1.6%と稀である.2.1990年代後半以降急速に増加している.3.年齢・性別は扁平上皮癌とほぼ同等であった。4.GERDや食道裂孔ヘルニアを合併する事が多い.5.Barrett上皮内での好発部位は口側右側壁である6.肉眼型は表在癌では0-IIa. O-IIc進行癌では3型が多かった. |