セッション情報 シンポジウム1

我が国におけるBarrett食道癌の現況疫学と治療

タイトル

S1-5 Barrett食道癌に対する内視鏡治療の適応

演者 近藤真也(愛知県がんセンター中央病院内視鏡部)
共同演者 田近正洋(愛知県がんセンター中央病院内視鏡部), 丹羽康正(愛知県がんセンター中央病院内視鏡部)
抄録 【目的1食道表在癌の内視鏡治療の適応はガイドライン上深達度LPMまでを絶対適応としている.これは扁平上皮癌の切除症例における病理学的な評価に基づくがBarrett食道癌においては症例数が少なく内視鏡治療の適応に関して未だ明確とはなっていない.今風当院でのBarrett食道表在癌治療例1より内視鏡治療の適応について検討した.【方法】2004年1月から2011年7月までの間に当院で治療を行なった食道癌II371例のうち切除病変より確認されたBarrett食道癌.は291例.(2.6%)であった.このうち表在痛の20例(細図内視鏡治療9例外科治療11例)を対象とし深達度転移の有無治療後再発の有無から内視鏡治療の適応について検討した.1結果】年齢中央値は62歳(範囲38-81)男性18例女性2例背景粘膜はSSBEI4例LSBE6例であった肉眼型は0-Is:2例l 0-IIa:5例.〇一Hc:5例0-ls+IIa:3例0-ls+Ilc:2例0-lla+Ilc:2例0-Hc+Ila:1例組織型は高分化型腺癌13例中ノ〉化型腺癌6例低分化型腺癌1例であった.深達度はM1⑪例(SMM-LPM:3例DMM:7例)このうちDMMの1例(1/7)で脈管侵襲陽性.SM10例(SM1:2例SM2:2例SM3:6例)全例(10/10)で脈管侵襲陽性であった.内視鏡治療症例9例のうち追加の外科手術を要したのは深達度MMで脈管侵襲陽姓深達度SM2で側方深部断端陽性.脈管侵襲陽性の2例であった.追加治療後の再発は認めていない.外科治療症例11例のうちリンパ節転移を認めたのは深達度SM3の3例(3/6)であった、リンパ節転移を認めた1例で術後19ケ月後に食道壁内再発をきたしたが追加の化学療法によりCRとなり以後の再発は認めていない.全20例において経過観察中(中央値32ヶ月)に原病死は認めていない【二二深達ff LPMまでの症例は脈管侵襲所見を認めず内視鏡日照の絶対適応であると考えられた.深達度DMMの症例は脈管侵襲を認めた症例もあり深達度MMの食道扁平上皮癌と同様適応拡大病変であると考えられた.深達度SMの症例1は全例に脈管侵襲を認め外科治療の適応と考えられた.
索引用語