抄録 |
【目的】現在表在型パレット腺癌に対する治療法はいまだ確立されていない.我々はパレット腺癌に対して内視鏡的治療を施行した症例について検討した.【方法】対象は2002年1月から2011年10月までに当科で内視鏡的治療を施行しパレット腺癌と診断した患者26例27病変としretrospe面veに検討した.【結果】平均年齢63.8歳(42-90歳)男女比は23/3背景のパレット食道はSSBE22例LSBE4例であった.パレット食道の診断基準は食道癌取扱い規約に準じた.パレット腺癌の内視鏡所見は隆起型が16病変陥凹型が11病変であった.治療はEMR4病変ESD23病変.平均腫瘍径は21.lmm(3-90mm)主組織型はtub1が25病変でpapが1病変t深達度はTlaが19病変Tlbが8病変であった.水平切離断端不明または陽性例7病変ですべて口側切離断端であった.そのうち扁平上皮下浸潤により断端陽性となったものは4病変でありうち2例は追加で外科手術を行い腫瘍の残存をみとめた.1口側扁平上皮下浸潤を認めた病変は23/27病変(85.2%).浸潤距離の平均値は5.66mm(0.62-26mm)であった.追加外科手術で二丁の残存を認めた2例の浸潤距離は122m血および26mmであった.内視鏡治療後の経過観察基準.は深達度DMMまでで脈管侵襲陰性かつ切除断端陰性のものとした一括完全切除率は667%治癒切除率は519%であったr外科的切除を7例に追加しリンパ節転移陽性例は2例であった平均観察期聞は38.6カ月(2から107カ月)生存例24例92.3%他病死2例.7.7%原病死1例3.8%生存例は全て無再発.【考察】表在型パレット腺癌に対する内視鏡的治療では口証の扁平上皮下浸潤の評価を十分に行うことが重要である.表在型パレット腺癌に対し内視鏡的治療は治療の選択肢の一つとして有効であると思われる. |